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2008年7月26日 (土)

『手紙』

Letter20080725  東野圭吾さんの『手紙』を読んだ。これを原作にした映画が製作された直後、その映画を刑務所の受刑者達に見せたというニュースを見た。スクリーンに向かう後姿が映されていたが、むせび泣いている人もいたように記憶している。
 重い話だった。弟の進学費用を工面しきれず、不幸にも強盗殺人を犯してしまう兄。そんな兄の罪の前に人生のあらゆる機会を奪われていく弟。罪を犯した人と被害者、その親族、そして彼らを取り巻く世間――― どの立場にせよ、当事者意識をもって考えるのが非常に難しく、どう処していくのが正しいのかもわからない問題。
 井上夢人氏の解説にもあるように、全編にわたってジョン・レノンの「イマジン」が通奏低音のように響き、東野さんの“本当に、差別や偏見のない世界なんて実現できるんだろうか?”という悲しい溜息が聞こえてくるようだった。
 毎朝毎朝、テレビをつけると流れてくる数々の事件報道。その一つ一つに、何かしらの背景があり、取り巻く世界がある。現実は、小説よりももっともっと重苦しいものだろう。
 本書と並行して読んでいたマンガ「NARUTO」にも“つながり”というキーワードがあったのだけれど、『手紙』では別の視点で“つながり”というものの意味を考えさせられてしまった。

秋期試験まであと85日

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