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2008年7月 9日 (水)

『地球と一緒に頭も冷やせ!』

Coolit20080708 Romborg20080708  友人のK氏から『地球と一緒に頭も冷やせ! 温暖化問題を問い直す』を送っていただいた。デンマークの政治経済学者ビョルン・ロンボルグ氏の著作第二弾の翻訳本だ。洞爺湖サミット開催に合わせたグッドタイミングにて。
 私がロンボルグ氏を知ったのはいつだったろう? レイチェル・カーソンとか立花隆氏とかが時をずらして環境問題を世に問うていた頃は、当然知らなかった。二十一世紀に入ってから、ごく最近改めて環境問題が切実に気になってきた頃、『環境問題をあおってはいけない』という本が出た。おそらく、その著者として知ったのが初めてだろう。
 これは、読書人としてあるまじきことかもしれないが、初めてロンボルグ氏のモノクロ写真を見たとき、とっさに「あ、ハイゼンベルグに似てる!」と思った。なにせその当時は、ハイゼンベルグとアインシュタインの写真を常に手帳に挟み込んでいるくらい心酔していたのだ。ある時、それを人に見られて大笑いされて以来、挟み込みはやめてしまったが(苦笑)。今思えば、ハイゼンベルグの方がずっと男前なのだけれど、“コペンハーゲンにいる”ということと、“世界をできるだけ冷静に正確に見ようとしている”ということから、なんとなくハイゼンベルグとの共通点が多い気がして、いつしかロンボルグ贔屓になっていた。
 彼の一作目『環境問題をあおってはいけない』は、そりゃーもう、ものすごいデータ量で、精読するには相当骨が折れる(というか、精読できている人はほとんどいないのではないかと推測する、かくいう私も含め)。それに比べて今回の『地球と一緒に頭も冷やせ!』(原題Cool It !)はかなり読みやすそう。訳者は一作目同様山形浩生氏で、私は彼の桁外れのバイタリティにも傾倒しているのだけど、「論座」の7月号で本書に触れた文章は、ご自身の本業と温暖化騒ぎとを引き比べて、等身大で検討している様子に好感が持てた。山形氏の「訳者あとがき」が楽しみで、つい先に読んでしまったのだが、ロンボルグが経済学者であることを、環境問題議論の当事者としてふさわしくないという非難を一蹴する部分に同感した。また、ホッキョクグマの個体数に関するグラフについて書かれた箇所にも、大きくうなづいた。私は基本的に、“まだまだ実のある議論をするにはデータ不足”という立場なのだけれど、ロンボルグ氏は、“今ある専門家からのデータを信頼した上で、効果的な対策を議論したい”という立場なので、そういう意味でのデータの見方には隔たりがあるのかもしれない。ただ、いくらデータ不足でも、今あるものをある程度信じて議論しなければ何も始まらないのも確かなわけで、サミット・ウォッチと並行して、じっくり読ませていただきたいと思う。
 そういえば先日、ネットサーフィンしていたら、文部科学省がここ数年「地球観測システム構築推進プラン」というのを提唱して、研究プロジェクトを公募しているのを知った。その応募案をざっと見るだけでも、まだ地球観測は端緒についた段階なのだと推測できる。そういう中での温暖化対策議論であることを、しっかり踏まえるべきだと思う。

秋期試験まであと102日

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