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2016年1月12日 (火)

トリップ トラップ事件とAI著作権

 「商標亭」先生のブログに触発され、昨年の著作権侵害事件のうちの「トリップ トラップ事件」の判決文をメモ
(以下は、勉強不足の戯言ですので、読み飛ばしてください)
 受験生時代、「赤ベコみたいな応用美術品は著作権では保護されない」と聴いたときの違和感をなつかしく思い出しました。当初の私は、人が、何かに依拠せずに独自に作り出したものは、極端に一般的なもの以外は著作物であり、応用美術として商品化されたようなものは、単に著作者が、自身の権利を主張していないだけなのでは?と考えていたからです。著作権者が良識と相応対価を天秤にかけて、主張権利を選択しているのでは…と思っていたわけです。もちろん、オリジナリティの認定というのは難しいものだと思いますが、「意匠法とのすみわけ」という論理には、なんだか違和感を抱えたままです。
 トリップ・トラップというストッケ社の個性的な椅子の形状は、子育て中の親には感動をもって受け入れられたと思います。素人的には、梯子か脚立に依拠してるのかな?とも思いつつ、幼児用イスのデザインとしては画期的だったであろうことは間違いなく。だから、高裁が、応用美術に対しても著作権を認めたことは、すごく自然に思えました。結局、ストッケ社のイスの著作物性は認められつつも、カトージ社のイスはそんなにオシャレじゃない…という結論で、絶妙な着地点のようでもありますが、事はますます複雑化するような気がします。

 個人的感触ですが、知的財産権の中での著作権の位置づけというのは、自然科学の中での物理学の位置づけに似ているように感じます。生物学も化学も、突き詰めれば物理学の話になるように思うのと同様、特許権・意匠権・商標権も、突き詰めれば著作権の話になるような気がしてしまうのです(法的定義による分類とは別の見方として)。
 細分化されすぎて、意識に上らなかった集合関係が、諸技術の進歩によって、専門家だけの関心事でなくなり、知らず知らず権利放棄していたような一般の人たちに、まっとうな権利意識を生んでいるようにも思えてしまいます。
 ただ、行き過ぎた著作権保護が、文化を閉塞させるのではないかという恐れが、もっと広い領域に広がってくるのだとすると、世知辛いものだなぁ…とも思え、戦々恐々としてしまいます。
(【補記】メイザー判決(Mazer v. Stein, 347 U.S.201(1954))

 福井先生が提示されているAI著作権の考察と併せ、気になるテーマとして追っかけます。

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