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2016年2月 8日 (月)

『魔法の世紀』

20160201_1  先週、メディア・アーティスト落合陽一さんの『魔法の世紀』を読みました。この手の、今現在の枠組みと、これからの変化について考えさせてくれる類の本は大好きです。とても刺激的で、ワクワクさせられました。1987年生まれといえば、我が息子よりたった11歳年上なだけ。そんな若い人が考えている未来の話を想像するのは、愉しい時間でした。

 20世紀が「映像の世紀」なら、21世紀は「魔法の世紀」になる―――コンピュータ開発の流れはもはや、ディスプレイの内側だけでなく、外側へと“染み出し”つつある、という展望のもと、ご自身の研究と創作活動の方向性を紹介してくださっています。前半の、情報科学の系譜を辿る部分は、科学史として純粋に面白く拝読しました。刺激的だったのは、後半の、彼独自の世界観や、各国研究者による現在進行形の研究の数々を披露してくれた部分。
 人間がいかに、この世界を認知するには限定された感覚器しか持たない存在か、世の中のメディアがいかに、この世界を映すにはまだまだ解像度の低い存在か、という彼の認識には、大いに共感します。そしてまた、「人間はコンピュータのミトコンドリアなのか、それとも、コンピュータが人間のミトコンドリアなのか?」という彼の疑問も共有しつつ、その疑問は、彼が全世界を「場」として捉えようとする姿勢と矛盾するようにも感じて、“デジタルネイチャー”という暫定解の行く末を、大事に見守りたい気持ちになりました。
 また、メディアの進化という観点からは、今でさえツギハギだらけの著作権法が、今後のメディアの進化に追いついていくのは、ますます大変なことだろうと滅入ってしまいました(汗)。
 もし、次作があるなら、“mind”についてどう捉えるかについても、彼の考えを聴いてみたいです。

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