2018年5月22日 (火)

ボーダレス時代のネット通販

 先々週の講義で、またまた気になる問題に遭遇。以下、趣旨をなぞって汎用的に書いてみると…。

「X国に特許権Rが存在。Y国には特許権なし。Y国の会社Zが、X国の母国語でない言語によるネット通販サイトをY国で立ち上げ、特許権Rを侵害する物品を販売(インターネットで譲渡の申し出)。この場合、X国の特許権者はX国内で、会社Zに対する侵害訴訟を提起できるか?」
 ――(X国が日本だとしたら)、X国内の誰かが侵害物品を購入することができる以上、X国は加害行為地となり得、国際裁判管轄があると考えられるので、会社Zは訴え提起される可能性があるのでは、、、という問題提起。日本でこのような司法判断がされるなら、同様の取り扱いをする国は他にもあると考えられ、、、――。

 過失がなければ仕方ないとはいえ、ネット通販サイトの開設の際、クリアランスってどこまでやればいいんでしょう??
 このような問題に関し、『国際私法』という雑誌に、近々記事が掲載されるようです!

| | コメント (0)

2018年5月19日 (土)

出願書類の検討

 ※昨日、改正著作権法可決・成立! 来年1月1日に施行されます。
(すみません、一部、教育の情報化については、公布の日から起算して3年を超えない範囲において政令で定める日、とのことです)

 講義で、明細書を読み、特許請求の範囲の私案を考えたりする作業を、ささやかながらやったりします。つくづく、「迂闊な明細書は書けないんだな…」と、発明の外延を決め込む手続きの重責を痛感しつつ、日々これに尽力されている先生方に頭が下がります。さらに、知財分野の弁護士さんたちが、万が一にも、予定していた範囲をカバーしきれない明細書に対処しなければならなくなった時のために、どの程度リカバリできるのか、どんな対応をすべきかに、あれこれ知恵を絞っておられる様にも、“最初が肝心”の思いを強くします。おそろしく戦略的な作業なんだなぁ…と思いつつ、以前、「修行には20年」と言われたのを思い出しましたが、補正の是非や均等の解釈など、専門家でも意見が割れる様を見るにつけ、安全策を取りたい第三者としては、慎重・萎縮せざるをえない繊細さだと感じますsweat01

【特許制度は、誰の何を守る制度?】 師匠による先日の課題は……“均等”。これまたイロイロと八方ふさがりな状況を、各人がどう解釈するかディスカッション…。
 特許制度は“保護と利用のバランス”が重要と言うけれど、侵害事件においては、保護を重視すれば権利者寄りになり、利用を重視すれば被疑侵害者寄りになり、第三者の予測可能性にも配慮が必要で、、、「社会を進歩させた発明を讃え守る」制度なのか、「自己申告された外延を書誌的に公示する」制度なのか…、よくわからなくなってしまいましたsweat02。あまりに広く均等を認めすぎると、審査段階での補正要件が有名無実化するような気もするし、あまりにクレームの記載を重視すると、
先発明主義な周辺限定の責任が重くなる気もして、頭が混乱します。個々の発明の社会的なインパクトや、産業分野や各々の技術特性の差異にもよるのでしょうが、当事者系の裁判において「発明の本質を守る」っていう意識はどの程度必要なんだろう??…と、考えさせられた課題でした。
 アメリカにも、コンプリートバーとフレキシブルバーという考え方があるそうで、いまだ先発明主義へのノスタルジーを捨てきれない私としては、フレキシブルな対応を望みたい気もするのですが、やはり筆界確定的な役割をもつ出願書類においては、コンプリートに書き切る努力をすべきと感じました。(なんだか、日本は一昔前のアメリカのようになり、アメリカは一昔前の日本のようになってきているような気がするのは、気のせい??…cf.:dedication
 この講義を受けたあとは、4~5時間放心状態になってしまいます~gawksweat02

【Lunaの地上絵?】 月面上のアルファベット探しに、天文ファンが夢中なのだとか(笑)。何かメッセージが浮かび上がったら面白いなぁ~♪

| | コメント (0)

2018年5月17日 (木)

知財権侵害の刑事罰

 道端で、タバコのポイ捨てをするような人を見掛けると、内心、「禁錮だ、禁錮~!」と思ってしまう私ですが、刑事罰というのはそう簡単に適用・執行されるものではなく――coldsweats01

 先日、Hofstra Univ.のIrina D. Mantaさんという方の講演を聴く機会がありました。知財権侵害の刑事罰について研究していらっしゃり、商標と著作権がご専門とのこと。
 不勉強でお恥ずかしい限りですが、なんと、アメリカの特許権侵害に関しては、刑事罰が科されることはないのだとか?! 日本で直接侵害をしようものなら、「10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金、又は併科」と規定されているのに?!(まぁ刑事事件になることはまずないとは思いますが)。
 一方、著作権や商標権の侵害に関しては、アメリカにも刑事罰規定があり、ちょうどエジソンが生きた19世紀末(1897年)頃から、侵害に対するサンクションが取沙汰されるようになり、複製技術とインターネットの発展に伴って、罰則は強まるばかりなのだそうです。
 「電子窃盗禁止法(No Electronic Theft Act:1997年)」で初めて刑事罰が規定されたものの、侵害の45%は保護観察どまりだったため、「デジタル窃盗抑止及び著作権損害賠償改善法案(Digital Theft Deterrence and Copyright Damages Improvement Act:1999年)」で、さらに罰則強化されたのだとか。

 通常、何か争いが起きた際は、「話し合い」→「コミュニティ関与」→「民事裁判」→「刑事裁判」と、よりパワフルな解決法に移行することになるわけですが、刑事罰はこの中でも最後の手段。著作権・商標権分野で刑事罰が認められるのは、それらの侵害が窃盗に類似するからとのこと。ただ、現実の窃盗と、知財権侵害とでは、社会的な暴力性も違えば、競合関係も違い、同一視することはできない。その点、知財権侵害はむしろ、器物損壊や不法侵入に類似しているかも、、、とも。にもかかわらず、これら現実の犯罪より、著作権・商標権侵害の罰金の方が高くなっているのはおかしい!と問題提起されていました。
 また、アメリカでは、特許権侵害についても罰則を設けるべきとの声もあるものの、100%完璧な審査というのが難しく、権利化後に無効となるケースもあることから、法の確実性と権利範囲の明確性が保証されないというジレンマにより、ペンディングとなっているようです。
 厳格化を強く求める製薬関係の業界もあれば、自身もいつ侵害者側に回るか知れないIT関連の業界もあり、必要性や有効性が定まらないのが、ペンディングの理由だとも。ただ、厳格化を求める団体のロビーイング費用が伸びを見せる中、いつ状況が一変してもおかしくない、ともおっしゃっていました。

 そんな中、早くから刑事罰が科されるようになった著作権・商標権分野では昨今、個人の侵害者に対して、見せしめのような何万ドルもの罰金が課され、その重すぎる罰則を問題視する反動が起きているとのこと。「こんなことをしていたら、インターネットが壊れてしまう!」と立ち上がった草の根の活動が、Googleのような巨大プラットフォームと手を組んで、SOPA/PIPAといった法案の廃案を求めたのだそうです。これらの活動の新たな戦場は、営業秘密関連法の連邦法化に移っていったとのこと。

 日本でも、営業秘密の保護強化に伴い、罰則も強化されています。法定刑のMAXが上がっても、量刑は適正になされるという見方もあるものの、なかなか微妙な問題だな、、、と感じます。
 タバコのポイ捨てひとつ取っても、一度注意されたら、その後は二度と同じことをしない人もいれば、何度注意されても繰り返す人もいるでしょうし、そういう違いを考慮せずに科刑するのはいかがなものかとも思います(未来は見えないから仕方ないけれど…sweat02)。

 Manta女史の講演で最も共感したのは、目下彼女が執筆中だという本について。一般の人の、法律へのアクセシビリティを上げるための書籍だとのこと。発明が、時代とともにどんどん専門家の団体戦の様相を濃くするのに対し、著作物の創作や起業は、インターネット以降、それまでギャラリーだった個人が続々と参入しているという現実。技術的にできるからやるだけで、法律や罰則を気にかける習慣がないような人が膨大にいると考えると、貴重なお仕事だと思いました。知財教育の目的にも、そういう側面が多分にあるかもな~と感じたのでした。

| | コメント (0)

2018年5月13日 (日)

Shane, Come Back~!

Shane  先週、新たな論考紹介がありました。「知財分野の最高裁判決に見る法解釈方法論と政策形成」という、法解釈の方法論に関する特集。
 法律を文言通りに解釈するだけで、すぐ問題解決に結びつくなら苦労はないのですが、解釈次第では違った結論になったり、普通に適用したら小学生でも首をかしげるような結論になってしまうような場合、裁判官は各々個性を発揮して、然るべき結論に至るために、様々な法解釈をすることになります。
 その一例として最初に紹介されていたのが、映画「シェーン」の著作権保護期間に関する最高裁判例。平成15年改正により、映画の著作権の保護期間が50年から70年に延長されましたが、昭和28年に公開された「シェーン」は、平成15年12月31日に保護期間が終了する予定でした。この時、文化庁著作権課は、昭和28年公開の映画については、保護期間を70年にする解釈論を採用したのですが、最高裁はこれを否定しました。体系的整合性を重視し、立法者意思を法解釈上考慮せず、法を立法者から分離した客観的存在として捉えた末の結論とのこと。(昭和28年公開のアメリカ映画は多々ありますが、“不思議の国のアリス”なんかも。。。)
 これ以外にも数々の判例整理がなされるのですが、各々、政策判断を優先していたり、整合性を重視したり、帰結主義的に妥当性を模索したり、事案によって優先度合いが微妙に異なります。いずれも、既存の法理との整合性に配慮はされているものの、かように、現実の事案に法律を適用することは難しい作業なのだと痛感します。行政や立法がどうしても政策論に傾きがちなのは否めないとして、司法こそが、世の中を360度見渡して、ニュートラルでいなければならないと思っていますが、正直、そんなことが可能なのかな?とも。。。sweat02(本論考は、法学者に、司法がニュートラルな立ち位置を維持できるような知見を提供する使命を説いているようです)

 印象的だった2つのフレーズをメモ。
・ドゥオーキンは法解釈とは連作小説を書く作業と類似するものと理解するが、、、(民商法雑誌2018_P.82)
・法解釈とは、条文の文言や既存法理をピースとするパズルを解く作業にも類似する。法解釈は科学ではなく、ある一面においては、ゲームをプレイする行為と対比できる。(同_P.88)(cf.: 科学としての法律学

| | コメント (0)

2018年5月11日 (金)

改変を認識できれば「改変」に当たらない説

 長い仕事人生の中で、著作権を生業の礎にしてきた割に、著作権法についてド素人状態の私。目下、体系的なイロハを叩きこんでいただいているところですが…sweat02
 そんな中、先月、「
日本の著作権法のリフォーム論」という論考を拝読して感銘を受けたばかりなのですが、今度は、GW前の課題で配られた『同一性保持権侵害の要件としての「著作物の改変」』という論考に、また感銘を受けましたcoldsweats01
 これは、以前参加させていただいた「しなやかな著作権制度に向けて」というシンポジウムの成果として出版された本からの抜粋の論考でした。
 著作者人格権のひとつを規定する著作権法20条の「同一性保持権」について、体系全体の整合性を整理することを推奨する一案。パッチワークのような状況の、リフォームを検討することも大事なら、こうしたアプローチもまた大事なんだなぁ…と気づきました。少なくとも、ここで提案されたような捉え方をするだけで、ド素人の私であっても、子どもが(というか私自身も)様々なキャラクターを落書きして遊んでも、安心していられるようになります(神経質すぎ!sweat01)。
 その捉え方とは、ごくごくシンプル。標題の、『改変を認識できれば「改変」に当たらない説』という、一見矛盾するような言い回しの提案ですが、すごくわかりやすいのです。
 とにかく、「改変をされていないとの誤認」を惹起させない限りは、(著作権や他の人格権の問題はさておき)少なくとも同一性保持権は侵害しない、という解釈。これまで、この同一性保持権の侵害の適否をめぐって、複雑な議論がされてきたようですが、誰もが簡単に他人の著作物を改変できるようになった現在、百花繚乱の改変やパロディを萎縮させないためには、このような解釈は是非とも採用して欲しいと感じます。
 “同一性”とひとくちに言っても、形式的な同一性も大事なら、本質的な同一性も大事だなぁ…と思わされた脚注があったので、抜粋引用(笑)。

-----(『しなやかな著作権制度に向けて』 P.418の脚注(105))より-----
 例えば本稿の執筆に当たり、筆者はいくつかの記述において読者の一笑を得ることを願っているが、それが果たされなかったとしても法がそのようなこだわりを直接に保護することはない。またそのような記述が稚拙な記述として批判されることは、筆者にそれなりの精神的な苦痛を及ぼすかもしれないが、当然甘受すべきものである。
 他方で出版に当たり筆者の意に反してそのような記述が無断で削除されていた場合には、「著作物の改変」に該当し、結果として本稿に対する社会的評価が(削除しなかった場合と比べて)向上したとしても、同一性保持権の侵害と認められる可能性がある(そしてその限りで、筆者の上記のこだわりも結果として著作権法により保護される)。

 いずれにせよ、条文ごとの“保護法益”は何か?というのを、突き詰めていくことが大事なんですね~(コチラもいずれ読みたい…)。

【CR2477電池の品切れ】 我が家周辺だけのことかもしれませんが、CR2477という規格のボタン電池がどこへ行っても品切れです。一体、どんな用途で引っ張りだこなのか?と不思議。「スマートキー、キッキングプレート、トラッキングデバイス、センサ…」などがあるようですが、うちは単に、リビングの時計に使いたいだけなんですが…sweat02

| | コメント (0)

2018年5月 8日 (火)

PBPにまつわる課題

 今週末の講義のために出題されていた課題に、リビングで取り組んでいたら、薬科大勤務の夫が興味を示しました。プロダクト・バイ・プロセスクレームに関する問題で、製法に加え化学式も書かれた請求項について記載されていたからです。
高分子化合物の薬剤の特許って、化学構造式書いただけじゃ特定できないよね?」
…化学関係の明細書に触れたことのなかった私は、なんとなく勝手に、最近ではCADでも使って分子構造の3D立体構造データでも添付しているものだと想像していましたが、それが出来れば苦労しないか…coldsweats01
 こりゃぁ、次の講義の展開もいろいろ興味深い…sweat02。付いていけるかなぁ~?

→結局、この日での私の学びは、「迂闊な不真正PBPクレームを書くと、完全同一であっても権利行使できなかったり、折角の新規物質の特許なのに、権利範囲を訂正するような事態になりかねず、弁理士の責任はとても重い…」ということでした。。。別講義では、「前記、当該、該」などの言葉の有無で特定が変化するような話もあるようで、明細書を書いていない身には非常に辛い細かいテーマですsweat01

【知財高裁所長】 昨年の夏、特許庁長官に宗像直子氏が就任されましたが、先の5日には、知財高裁所長に高部眞規子氏が就任とのこと! 女性躍進は知財の世界から?!

【パスポートセンター】 昨朝、戸籍抄本を取るために役所に入ったのがAM8:30、パスポートセンターで家族全員分の申請を済ませて出てきたのがAM9:40。まずまずの仕事~♪ 直近では、夫のハワイ渡航が控えていますが、行けるのかな??

| | コメント (0)

2018年5月 2日 (水)

特許法38条の2とか、供託とか

 先週の講義で、新規性喪失の例外の話から派生して、特許法38条の2について、同期の仲間の方から教えていただきました。恥ずかしながら、この改正についてまったくスルーしていました。アメリカでの仮出願制度については、以前お世話になった事務所で、引例で引かれた案件のいくつかがこの制度を使っているのを目にした程度でした。
 日本でもこんな制度が導入されたと聞き、一緒に聴いていた大学知財関係の方が、「研究者は、学会発表をどうしても優先しがちで、後の祭りになっちゃうことも多いんで、もっと周知して欲しいですね~」と言っていました。ただ、実務的には取扱いは結構要注意のようで、「電子化手数料が…」とか、些末ながら手続き的に厄介なことも絡み、使い勝手については「?」のままでした(苦笑)。
 いつも貴重な情報をシェアしてくださる勉強仲間の存在は、同期の人たちの拠り所になっています。グループウェアを介しての質問にも、気さくに対応してくださり、心強い限り。ありがたやありがたや…!

 また先週は、ずっと気になりつつ、質問できる人がいなかった「供託」について、ちょっと触れることもできました。知財の侵害事件で仮処分を求めた場合、供託は普通になされることだそうで、当事者本人がする場合と、弁護士さんが代理でする場合に分かれるとのこと。弁理士法の解説書に、「弁理士は供託はできない」旨の記載があったので、それについても訊きたかったのですが、答えてくださった弁護士先生は、「誰ができるかなんて、考えたこともなかった」とのことで、やはりオールマイティーな弁護士資格って強力だなぁ~と感じました(笑)。

| | コメント (0)

2018年4月30日 (月)

“ソローの封筒”

 先週の先使用権に関する講義で、ドイツやフランスの“先所有権”という概念について聴いた中に、フランスの、いわゆる“ソローの封筒”というものの紹介がありました。日本での“タイムスタンプ”のようなものですが、「このペーパーレス時代に、フランスの特許庁って広いんだなぁ…」と、マヌケな感想を抱くとともに、サードパーティーのソフトウェアに依存するタイムスタンプより、割符のようで直観的でわかりやすいし、発明に限らず、意匠や著作物にも使えるし、後発の創作や出願時点で実施や準備をしていなくても権利を主張できるという所に、とても魅力を感じました(日本の特許庁へのかなりの手続きが電子化されているから、紙でのこのような手法が単純に感じるのかもしれませんが、弁護士さんにとっては当たり前のことに思えるのでしょうか…?)。
 とはいえ、法的拘束力があるわけではなく、あくまで証拠の1つとして使えるだけだし、内容吟味は厳格なようなので、使い勝手の程はわかりません。

 少し前の講義での“属地主義”の話にせよ、今回の“先使用権”の話にせよ、あまりに当たり前のこととして受けとめていた概念が、世界的に見たり、本来的な視点で見直すと、全然当たり前じゃない、という事実に、驚きを隠せませんcoldsweats01。大学院に入れていただいて何よりの収穫は、“フレームワークの瓦解”といった感触でしょうか(苦笑)。でも、頭が混乱して生きづらくなりそう~!

| | コメント (0)

2018年4月28日 (土)

ドイツ著作権法

 先日、ドイツの著作権法について触れるプレゼンを聴きました。近年のドイツでは、ライセンシー保護の仕組みを充実させる方向にあるとのこと。そしてなんと、著作権譲渡は不可なのだとか?! また、調べてみると、ドイツには職務著作制度もない模様。。。欧州には、強い著作者人格権保護の哲学があると聞きますが、考え方の違いで、制度もずいぶん変わるものなんだなぁ…とビックリ。
 “本を一冊作る”という小さな営みを考えても、もっともっと、簡易な手続きで他人の著作物を利用できる仕組みが欲しくなるわけですが、著作者への敬意を最大限保ったうえで、しかるべき対価の支払いに応えつつ、容易に著作物を利用するって、とても難しいことに思えます。

 別件で、国際私法の先生が、「細かい部分ではずいぶん国によって規定ぶりが違っても、知財関連法ほど、国際的なハーモナイゼーションが進んでいる法域はないと思う」とおっしゃって、「なるほどなぁ…」と思いました。が、そうはいってもやはり、細かい部分が違うことで、手続きは煩雑を極め、国ごとの代理人の解説なしには、なかなか物事が前に進まないのが現実、という印象も拭えず…(汗)。

20180427  【ハンドメイド】 友人が先日、フェリシモのキットを使ったハンドメイドのアクセサリーを送ってくれました。この素敵さをシェアしたくて、写真のブログアップを友人に打診したら、二つ返事でOKしてくれました♪
 発明も創作も、個人レベルのものの取り扱いは比較的わかりやすいけれど、昨今は集団で作り上げるものも多いので、権利の取り扱いも複雑・煩雑を極めますねぇ。そういう意味で、ドイツがいつまで現状維持できるのかは、興味深いです。

【クローン技術】 サイエンスライターの友人が、生命倫理についての活動をしていますが、「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律」なんていうものもあるんですね。“人間の尊厳”って何だろう…。

| | コメント (0)

2018年4月27日 (金)

芳香性液体漂白剤組成物事件

20180426 (昨朝は久々にいつものコースを歩きました~♪)

 先週の講義中、「芳香性液体漂白剤組成物事件」というものの事案紹介がありました。化学系の事案を検討したことなどなかったので、新鮮でした。被告製品が、製造当初は特許の構成要件を充足しなかったにもかかわらず、経時的に変質し、需要者の手に届く頃にはすべての構成要件を充足するように変化してしまう、というケースの検討。いつの時点で充足性を見るべきか、という論点は、機械分野ではほとんどお目にかからないと思われ。
 裁判の結果は侵害と認定されたそうで、結論には納得しつつも、こういう時間的に変質する製品の場合、製造時の間接侵害と捉えるのか、(勝手な造語で“前駆侵害”とか)、販売時の文言侵害と捉えるのか、ちょっと“侵害の経時変化”の捉え方がスッキリしませんでした(笑)。

 産業財産権法以外にも、カリキュラムの中には「独占禁止法」や「国際知的財産法」も組み込まれており、今後のビッグデータの取り扱いや、軽々と国境を越える企業活動の国際化との関係からは、これらがとても重要だということはわかるのですが、法学部出身でない身としては、そもそもの法律を学ぶ作法みたいなものや、それ以前の用語がまったく身についておらず、方法論がわからなくて自己嫌悪に陥る場面が多々あります。
 そんな不甲斐無さを夫に愚痴ったら、「そもそもマスター1年なんて、先生はヒヨっ子としか見てないから大丈夫だよ」と言いました(苦笑)。それはそうでしょうが、学生さんは皆、社会人経験を積んできた人ばかりなので、ただヒヨっ子然としているわけにもいかず、ゼロベースの学習は本当に厳しいですcoldsweats01
(注意すべきは、とかく学問的になりがちな内容を、いかに現実の問題解決場面とリンクさせて考えられるか、という所だとも感じます)

【海賊版サイト対策】 問題解決といえば、、、インターネット上のアニメやマンガの海賊版サイト対策につき、ブロッキングの賛否について様々な団体が声明を出しています。弁理士会からも。。。
 サイト閲覧する人の立場で考えて、海賊版に引き寄せられる原因は…。
1.タダであること
2.出版社・製作者の垣根なく、作品が1か所に集まっていること
3.アップのタイミングが速いこと
4.スマホやPCで読めて、嵩張らないこと
5.(面倒な会員登録不要?)
6.品質はそこそこ

 こう考えると、「タダ」で読ませても収益が上がる、という点がネックで、出版社でも「タダ」以外のことは、技術的にはできないことはなく…(?)。本の中には、「タダでもいいから多くの人に読んで欲しい!」というものもありますが、そういうのに限って読まれることはなく、海賊版の餌食になるのはたいてい、大黒柱的作品。だからこそ、ブロッキングのような禁じ手にも頼りたくなってしまうわけで。。。私が当面できることといえば、知財教育で出掛けた先の学校で、“ものづくり”の苦労を知ってもらい、作者の苦労には対価で報いるという“愛”に納得してもらうことくらいでしょうか…(まぁ、このブログの引用や映り込みも、相当グレーだと思うので、全然偉そうなことは言えないのですが、、、苦笑)。

| | コメント (0)

より以前の記事一覧