2019年11月 6日 (水)

『わたしが正義について語るなら』

20191028  は~ひふ~へほ~
 息子が小さい頃、アンパンマンのアニメを観たり、アンパンマンのパペットで遊んだりはしていました。
 が、やなせたかしさんの絵本は、本屋で立ち読み程度、やなせさん自身のことも、あまり知らないままここまで来ました。

 先日、ひょんなことから手に取った『わたしが正義について語るなら』。中高生くらいの子ども向けの実用書にはどんなものがあるかを調べていて出逢ったのですが、実に読みやすく、数時間で読み終えました。漢字が少ないのもさることながら、さすが「詩とメルヘン」の編集長の文章、人柄がにじみ出て、やさしく読みやすい柔らかい文体ーーー。
 マンガ家を目指しつつ、あれこれと依頼されるままに様々な仕事をこなし、「困った時のやなせさん」と言われていたのだとか。宮城まりこさんと仕事をする中で成長した、と述懐されていました。(三越の包装紙のmitsukoshiという文字を描いたのがやなせさんだという話は、どこかで聴いたことがあったような、、、)。
 やなせさんなりの“正義”について、いろいろ語ってくださっていましたが、アンパンマンのマーチの中の「愛と勇気だけが…」のくだりが理解できるようになった気がします。多様性の時代、正義の捉え方もどんどん難しくなっているのを感じます。
 RADWINPSの「愛にできることは~」でも、アニメ「バビロン」の中でも、印象的に“正義”が語られていますが、とりあえず私でも出来そうなことは、「これは誰にとっての正義か?」と、いつも問うてみる姿勢を保つことくらいかなぁ。。。

【ヘリウム品薄】 昨日のニュースで、ヘリウムの供給不足が報じられていましたが、真っ先に浮かんだのがリニア新幹線。。。核廃棄物処理場未整備のままの原発見切り発車のごとく、液体ヘリウム供給源未確保のままリニア新幹線工事が見切り発車されてる、なんてことは、よもやないのでしょうねぇ。。。

 

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2019年10月25日 (金)

『はじめてのアメリカ法』

20191021  今週月曜日、のんびりと読み進めていた『はじめてのアメリカ法』を読了。週末は、ウイスキー片手に読んだりして、かなりアバウトな読みっぷりではありますが、法律書とは思えない面白さでした!
 構成は以下の通り。
第1部:アメリカの契約法
第2部:アメリカの不法行為法
第3部:アメリカの司法制度
第4部:アメリカの憲法
 主としてドイツやフランスの制度を参考にして成った大陸法系の日本と、イギリス法を継受して成ったコモン・ローのアメリカ。その違いを意識しながら、アメリカ法のイロハを解説してくれる本書は、“リーガル・マインド”と言っても方向性がまるきり逆とすら思えるような両国の哲学の違いのようなものを感じさせてくれ、とても勉強になりました。例によって、付箋だらけになりましたが、以下、印象的な部分をメモメモ。
・P.15:契約はプランニング(計画・企画)の手段
・P.41:法律の知識はすでに人の理解できる以上の量であり、しかも常に新しくなり増加するので、今の知識を覚えることには意味がない
・P.43:アメリカでは契約違反に対し、精神的損害の賠償は認められないのが原則
・P.48:成文法主義の下でも判例法主義の下でも法というものはわかりにくい
・P.48:英米法的な思考は、帰納法になり、条文からスタートするのは演繹的な方法
・P.78:英米法上、契約を結ぶということは、契約を履行するか損害賠償を支払って履行をやめるかの選択権を持つことを意味するにすぎない
  (by Oliver Wendell Holmes, Jr.)
・P.79:法の生命は論理ではない、それは経験である
・P.86:法と道徳の関係は永遠の課題
・P.95:アメリカ法の原則は自由と正義に基づき焦点は行為者、日本の不法行為法の目的は「損害の公平な填補」で焦点は被害者
・P.113:アメリカでは故意による不法行為と過失による不法行為との間に大きな相違点がある
・P.156:アメリカ法では、at law(コモン・ローでは)とin equity(エクイティでは)が同等の道具であるのに対し、日本法では「法的安定性」の方が「具体的妥当性」より重視される傾向が…
・P.182:(乱暴に言うなら)大陸法の一事不再理は上から目線の概念で、アメリカ法の二重の危険は被告人や容疑者から見た観念
・P.193:(両方向性の大陪審制度と、一方通行の検察審査会)
・P.196:アメリカの法曹一元では、裁判官、検察官、弁護士、法学者すべてが、弁護士から始まる(縦割り制度ではない)
・P.252:契約の自由こそ原則で規制は例外であり、制約が正当化されるのはきわめて例外的な場合だけ(Adair v. US,1908)
・P.266:アメリカでは法を語ることが自由を語ること/わが国では法を語ることは規制を語ることでは…
…とまぁ、とにかく数多くの具体的判例をあげて、その判断について解説することで、アメリカ法の精神を説明してくださり、日本との違いを意識させてくれる構成で、実に刺激的でした。アメリカの判決文を読んだときの不思議なスッキリ感は、こういうところから来るのかなぁ…と感じつつ、日本のように匿名や伏字で公開されることの多い判決文と、実名で当事者同士が公明正大に考え方の違いをぶつけあうアメリカの判決文、それらを受け止める社会の寛容さ等についても考えさせられるのでした。
 最終章の締めの言葉が、何より胸に迫り、法の見方や使い方への大きなアドバイスになっているように思えました。
ーーー法があるからそれを守らなければならないのではなく、法が社会をよくするための道具であるという点こそ、アメリカ法の最大の特色。。。
 是非手に取って、法律の初学者の方々に広く読んで考えていただきたい一冊だと思えました。

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2019年9月10日 (火)

宇宙兄弟36と、人生本、法律本

20190903  『宇宙兄弟』36巻を、今月頭に読了。ヒビトとオリガの若さが眩しいよぉ~!
 そして、残間里江子さんの少し前の新刊『もう一度 花咲かせよう』ーーこちらは先の週末に読了。これは、敬老の日に実家に持って行ってプレゼントしようと目論んでいます。
 もう一冊はアメリカ法の書籍。憲法すら判例法だとどこかに書いてあったけれど、アメリカの判決文が結構好きな私としては、ざっくりとでもアメリカ法の成り立ちについて学んでおきたい…と購入。第4部の憲法の所が楽しみだけれど、そこまでちゃんと読み進められるかしらん?!

【+α】もう一冊、気になっている新書『無敵の仕事術』ーーなんだか、無茶苦茶おもしろそう~!
【Apple Special Event】こちらも!

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2019年6月 3日 (月)

『東大教授が考えるあたらしい教養』

20190601 20190602_2  仕事関連で、表題の書籍を読みました。また、職場の人がたまたま貸してくれた『AI社会の歩き方』という本をパラパラと拝見しました。なんとも奇遇なことに、両者とも、「異分野の人が、建設的な話し合いをし、社会貢献に結びつけるには、どうしたらいいか」を検討している本でした。
 「学際的な検討が必要」――というのは、昨今の課題解決の過程で、決まり文句のように謳われることですが、これが日本ではいかに難しいことか、近頃つくづく痛感しています。北欧などでは、この点がうまく教育されているゆえか、いろいろ見習うべき点が多いのではなかろうか…とも感じます。
 本書では主に、“真の教養とは?”という問いかけのもと、「異なる専門領域間にブリッジをかけられること」を中心にいろいろな例を挙げて解説してくれています。例えば、借地借家法をめぐる経済学者と法学者の捉え方・価値の置き方の違いなど(借家人の保護の観点と、貸家人の財産利用の観点)。この手の議論では、「事実認識」と「価値判断」を分けて考えることが重要、との指摘があり、もっともなことだと感じました。

 ただ、「異分野の人同士の議論」という点に関し、本書のような専門領域を異にする学者同士以上に、もっと下世話で深刻な問題が、今の日本にはものすごくはびこっているのを、個人的に強く感じます。主に、以下の2つのことが気になっています。
・異分野の人、階層の違う人を、リスペクトできない(関わりたくないと思う)人が多い
・いわゆるリーダー層が、日常的な下世話な仕事の実態を知らない
 要するに、議論の対象がまだまだ「他人ごと」の状況で行われているんじゃないか、ということ。少子化問題を議論するなら、まず男性が家事をして育休をとってみる、とか、介護問題を検討するなら、まず1日くらい、実際に介護してみる、とか、プラスチックごみ問題を検討するなら、まずその処理過程を全部洗いだす、とか、海賊版対策のブロッキングを検討するなら、1つのサイトをブロッキングする実作業を現場で見せてもらう、とか…、ものすごく手間がかかるし、見る方も見られる方も面倒くさい作業なことは間違いないことですが、それなくして、議論なんてできないんじゃないか…というのが率直な感想。
 また、世の中、“丸投げ”というのが実に多くて、産廃は中国や東南アジアに丸投げ、とか、面倒な仕事は下請けに丸投げ、とか、余裕のある人達は丸投げできるからこそ、その実態を知りえないにもかかわらず、世の政策等を検討する人達は、たいてい丸投げする側であることも問題かと――。
 こう書くと、ひどく歪んだひがみ根性丸出しの見方のようで、実際にはそこまで酷いわけじゃない…とも思いますが、1人の人間には24時間しか1日の時間がなく、なんでもかんでも実際に体験してみるなんて不可能だからこそ、異分野の人や階層の違う人をリスペクトして、意見交換する必要があるんじゃないかと思うわけです。
 「学際的な検討」――言うは易し、行うは難し。トライ&エラーで、とにかくチャレンジしていくしかないですねぇ。似たような主張の本が時を同じくして出版されるということは、それだけ時代が、異分野間の協働を必要としているということなのでしょうから…。

【スマホやPCに著作権料?!】 またこんな報道が…(汗)。徴収した著作権料の分配の仕方を説明してくださーい!

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2019年4月23日 (火)

『データ・ドリブン・エコノミー』

20190415  先日、『データ・ドリブン・エコノミー』という本を読了。以下、印象的だった部分をメモメモ。
・p.35:人間が必要とする情報量は、いつの時代にも無限大だったのではないだろうか
・p.37:Googlezon
・p.59:アナログプロセスへの気づきが価値創出の第一歩
・p.90:航空機の機種でなく、航空会社で選ぶように、車の車種でなく、自動車手配の会社で選ぶように…
・p.93:何かを使う期間・時間で料金を得るサブスクリプション方式へ…
・p.105:GANDALF
・p.158:医療は「リアクティブ型」から「プロアクティブ型」へ。今は予防に本腰を入れても医師が儲からないので、予防に対する動機付けになっていない
・P.171:個人情報保護法制2000個問題
・P.208:「IoTデザインガール」と高専生
・P.216:GoogleやamazonのM&Aは、戦略というより、「なにか面白い」というだけで投資判断をしているのでは…
・P.220:「知の深化」と「知の探索」の両面を、バランスよく行っていかなければ
・P.220:データ・ドリブン・エコノミーの時代には、新しいことにチャレンジしていかなければ
・P.226:「モバイル牛温恵」(ドコモ、リモート、JA:異業種との連携が重要)
・P.231:「技術で勝ってビジネスで負ける」(インベンションのハードルを越えられても、イノベーションのハードルを越えられない)
・P.233:技術者はもっと意図的にイノベーションに取り組んでいかなければ
・P.236:東工大とMITは同規模大学だが、東工大が教員1人に対してスタッフ0.6人なのに対し、MITは教員1人に対してスタッフは10人。日本の企業が技術にしかお金をかけないのと類似しており、技術を社会に展開するためのスタッフにお金をかけていない
・P.239:「ストーリー」が大事。アメリカのある量子コンピュータ研究者の言――「量子コンピュータができたら、気象予測のシミュレーションが高速にできる。そして、気象予測が高速にできたら、農業が抜本的に変わる。農業のリスクヘッジができるようになり、収穫が劇的に変わる」
・P.245:デザイン思考における「OODA(ウーダ)ループ」:Observation,Orientation,Decision,Action
・P.261:学習を重ねるうちに、クラウドとエッジ処理の間で機能分担が進んでいく
・P.265:5Gには、これまでの「高速・大容量化」に加え、「超低遅延化・高信頼化・多数同時接続」の特性が要件となる
・P.268:1860年代のイギリス「赤旗法」を反面教師に、新技術と付き合う(←この話は、先日聞いた量子コンピュータの技術者の方も言ってたな…)
・P.271:人間同士のトラブルでなく、機械を交えたトラブルの制度設計(右に曲がったら高齢者をひいてしまう、左に曲がったら子どもをひいてしまう、真っすぐ進んだら若者をひいてしまう、止まったら後続車に追突されてしまう…このとき、自動運転車はどれを選択すべきか)
・P.276:したり顔で話す偉い人の話は、話半分で聞いておけばいい。(かように未来予測は難しい)だからすべての常識に疑問を持つ
・P.279:結局のところ、いまのAIはパターン認識をしているだけで、本当の意味での知能ではない
・P.280:IoTでデータを集め、AIで分析するが、これらはあくまでツールであり、大事なのはデータ

 データ・ドリブン・エコノミーの推進には、地味で泥臭いデータ集めが不可欠。さらに、ダイバーシティとは違う「インクルージョン」といった、様々な種類の人たちの寄り集まりを手助けできるカタリスト(触媒)が必要――というのが、著者の締めくくりの言葉でした。少子高齢化で人手不足が続く日本、地方が疲弊してやせ細っている日本、ここ10年くらいの施策が、将来を左右するような気さえしますが、どうなんだろう…。
 個人的に印象深かったのは、「人間が必要とする情報量は、いつの時代にも無限大だったのではないだろうか 」という初っ端の問い掛け。人間の脳もAIみたいなもので、データがあって記憶ができるなら、容量いっぱいいっぱいのデータを参照したいのはヤマヤマ。自分の未来を左右する決断をするのに、不必要なデータなんてないわけだけれど、限られたリソースを配分して、仕方なく決断を重ねているに過ぎないと考えると、生物って大胆だな、と思います(笑)。まぁ私の場合、緻密な計算と分析に基づいて動くよりは、直感で脊髄反射的に動くことの方が多いわけですが、チコちゃん的に反省するなら「OODA(ウーダ)ループ をウダウダ回してんじゃね~よ!」って感じでしょうか(苦笑)。
 1点だけ、本書記載のさまざまな事例は、すべて電力(エネルギー)が必要なわけですが、IoT時代のエネルギー供給についても、次作でご紹介いただけたらな~、と思いました。
 データが大事であること、肝に銘じます。

イーロン・マスク氏のTwitterアイコン】 が、ここ数日、第1期ハガレンのエドになっているとの噂。いきなり親近感が湧きますが、本物なのかしらん?!

 

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2019年2月19日 (火)

『科学を語るとはどういうことか』

20190117  ながらくお預けにしていた『科学を語るとはどういうことか』を、さわりだけ読みました。何かと専門分化する上、SNS等でも同じような価値観の人で固まる傾向が強い世の中、異分野の人と話をすることの大切さを感じました。
 先日来、仕事で、日本中の学者・研究者・大学関係者をあれこれとクローリングしていたのですが、そういう類いの人の、なんと多いことか?! それぞれが自分の興味関心に従って狭く深い考察に没頭されているのでしょうけれど、たまにはそういう穴から抜け出して、全然接点のなかった人とじっくり話をしてみるのも、いいブレストかもしれません。
 私はとりあえず、自分よりもずっと若い人と話をして、気持ちをリフレッシュさせないと(苦笑)!

【平成史 第5回】 先日のNHKスペシャル「平成史 第5回 ノーベル賞会社員」の田中耕一さんの言葉には、勇気づけられました。とかく悲観して見がちな昨今の日本の科学者の境遇ですが、イノベーションのシーズは意外にいろんなところに転がっているのではないか…という考え方。もちろん、基盤的な予算が削減されすぎている現状は元に戻していく必要はあると思うものの、チャレンジして失敗することをプラスに捉えられるメンタリティは大切にしたいなぁ…と感じました。

【ピクサー本!】 翻訳の仕事をしている友人が、『PIXER 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話』という本をご紹介くださいました。ジョブス・ファンであり、PIXERファンを自認する者としては、読まないわけにはいきません! しかも、私が昨今注目する“職務著作”と“エンドロール”のヒントになりそうな話もあるようで、先の日曜日に、サクッとamazonで予約注文しました♪ 楽しみ~!

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2019年1月31日 (木)

『2016 ヒロシマ/パールハーバー』

20190125  先日、母から小包。「なんだろ? 誕生日ってわけでもなし…??」と思いながら開封すると、中には小さな詩集が3冊。添えられた手紙に書かれていたところによると、私が中学時代にお世話になった国語の先生(私は習ってはいなかった気がするのですが)で、野球部顧問だった先生が、定年後に作った本だとのこと。母と、読書会で長らくお付き合いがあったようで、そのご縁から入手した模様。
 先の日曜日、それを早速拝読してみました。「先生、広島と何か関係があったのかな?」――そう思いながら読んだのですが、特に個人的な関わりがあったというよりは、先生の生まれたのが、原爆投下の年だったことから、ずっと広島のことを考え続けた人生だったらしく。。。定年まで何十年も、子どもたちの教育に尽力されてきた方だから、命の尊さは常に人生のテーマだったのかもしれません。
 詩は、オバマ大統領の広島訪問と、安部首相のパールハーバー訪問に際し、昂った感情を、形にしたものでした。読み終えて、「本当は、広島にも真珠湾にも縁もゆかりもないような人でも、むしろ全人類が、もっと真正面から考えないといけないことなんだよな…」と、感じました。
 「終末時計」があと2分、とされた先日のニュース――現実の地上のみならず、ネットの中や、宇宙でまで、不穏な動きが目に付く昨今、当たり前のモラルについて、考えさせられます。

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2018年9月17日 (月)

『宇宙に命はあるのか』

20180912_5  しばらくツンドク状態だった一冊『宇宙に命はあるのか ――人類が旅した一千億分の八』を、先週読了。NASAのジェット推進研究所で、火星探査ロボットの開発に関わっておられる小野雅裕氏が著者。
 宇宙探査の歴史を概観させてくれ、「想像力」のチカラを思い起こさせてくれます。また、開発の陰の立役者たちを紹介するとともに、宇宙の広大さを感じさせてくれます。最後の一章は、ひたすら人類と宇宙の命の未来に、あらん限りのイマジネーションを働かせて、地上の現状に警鐘を鳴らしています。
 私の世代は、インターネットという発明の時代に立ち会えたと同時に、華々しい宇宙探査の時代にも立ち会っているんだなぁ…と、つくづく感じます。
 1967年に104か国が調印・批准した宇宙条約の第9条には、次のような条文があるとのこと(P.196)。
――月その他の天体を含む宇宙空間の有害な汚染、及び地球外物質の導入から生ずる地球環境の悪化を避けるように月その他の天体を含む宇宙空間の研究及び探査を実施、かつ、必要な場合には、このための適当な措置を執るものとする。――
 “探査する”ということは、その対象世界と“相互作用する”ということだから、上記のような感化をゼロにすることは不可能だとは思いますが、“先走りは禁物”という著者の主張に頷かざるをえませんでした。あまりに壮大な話が続き、SFとの境界が分からなくなりそうでしたが、現に民間の宇宙開発は着実に進んでいるんですよね。。。
 ボイジャーに搭載されたゴールド・レコードに、ジョン・レノンのImagineがなかったのは残念でしたが(Beatlesの曲は著作権者の許可が下りなかったのだとか?!)、いつの日か、宇宙のどこかで、あのレコードを聴く命が現われるのを夢みてしまいます。素敵な一冊をありがとうございました!

20180915_2 20180915  さてさて、以後来年2月ごろまでは、ひたすら論文読みに専念するぞぉ~、、、と思いきや、この三連休は、夫が学会で不在なのをいいことに、『情報法入門』なんて本に手を伸ばしてしまいました…。スコーンと紅茶をお供に…♪

 【樹木希林さん】 一昨日ご逝去。ご冥福をお祈りします。。。

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2018年9月 8日 (土)

『マチネの終わりに』

20180831_5  夏の終わりに、精神の浄化になるような文章に触れておきたくて、平野啓一郎さんの『マチネの終わりに』を読みました。ここ数か月、実用本や学術書ばかり読んで、感情を揺さぶるような活字に触れていなかったことを痛感しました。

(以下、本作の読書を楽しみにしている方は読まないことをお勧めします)

 全編がひとつのオペラの曲のように、緩急をつけながら終局に向かうような印象でした。アダージョな出逢いと会話で始まり、アレグロで親密さを増し、グラーヴェな陰鬱と思索と偽り、アンダンテな快復と日常、レントな復活…そして再びのアレグロ…独断と偏見の解釈ですが、すべてが「マチネの終わり」の一曲のためにあるような物語でした。
 印象的な言葉やセリフの数々が胸に迫り、“恋と愛の変容”を滋味深く考えさせてくれますが、私が気に入ったのは、ベートーベンの日記にあったという「夕べにすべてを見とどけること」という謎めいた一文と、“未来は常に過去を変えてる”という言葉。
 率直な感想としては、「運命の人に出逢ってしまうと、美しくも大変…」という思いと、ラストシーンには「えっ?! 逢っちゃうの?!」という脊髄反射(苦笑)。それでも、終盤の思い出の曲の演奏シーンは、溢れて来る涙で活字が滲みました…。
 人生はままならず、誤解やすれ違いに溢れているかもしれないけれど、真摯な思いはきっと、時空を超えて伝播するんじゃなかろうか…と思えた読書でした。――「幸福の硬貨」を聴きながら…
(タイアップCD,買っちゃおうかな…

【大坂なおみさん!】 全米オープン決勝進出、おめでとうございます!! なおみ語録でも、精神がとっても浄化されます~。→なんとその後、セリーナ・ウイリアムズを抑えて優勝!! おめでとうございます!! 「ガラスの仮面」が好きで、“紫”という日本語が好きだという逸話も微笑ましかったです(笑)。

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2018年7月 7日 (土)

『ビジネスツールとしての知的財産』

20180701_2  複数の方からの推薦を受けて、先日、『ビジネスツールとしての知的財産』を拝読。
 これまでも、一般向けの知財本は数々読みましたが、本書は一味も二味も違う独特なものでした。
 ・全編マンガであること(一部に解説テキストページはあります)
 ・スタートアップのITベンチャー視点で書かれていること
 ・弁理士や知財検定の知識は、あくまでビジョン実現に向けた推進剤として捉えられていること
 ・少年マンガ的な熱さがあること
 ・実在の人物がストーリーの中に登場すること
 ・著者の人生哲学が随所に織り込まれていること
 諸々の独自な試みに驚きつつ、最も感銘を受けたのは、研究者である著者自らが、(あらかじめ美術の素養があるとはいえ)初めてまるまる一冊のマンガを描いていること! 執筆開始から1年くらいかかった旨の記載が「あとがき」にありましたが、構想段階から考えると、相当なご苦労があったのでは、、、と拝察しました。
 出版元の“UPLOAD”という所を存じ上げなかったので調べてみたら、知財検定の支援等も行っている、知財領域専門のコンサルティング会社でした!(この点でも独特!) 今や、昔ながらの出版社でなくても、いくらでも本が刊行できる時代。なかなかメジャーな需要者層が見込めない領域でも、意欲的な試みが可能なことを垣間見せていただきました。
 1点だけ、AIでの囲碁対局三番勝負の合間に、特許出願を超スピードで行い、それによって敵チームの斬新なアルゴリズム採用を封じたという場面があったのですが、こんな短期間での防衛テクニックが使用可能なのか?!、ということだけが、よくわかりませんでした。
 作者名の“大樹七海”というのはペンネームだと思いますが、本書の主人公同様、ダ・ヴィンチ的な興味関心の広がりを持つ方のようで、狭い業界にあっては、いつかお会いする機会もあるかな~、と期待しつつ本を閉じました。初心忘るべからず、だな、というのが率直な感想です、ありがとうございました!

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