2017年6月22日 (木)

『デジタル著作権』

20170616  2002年に刊行された書籍。なのに、すごく面白かった! 一般書の体裁ではありながら、かなりハイエンドな内容。たぶん、刊行当時の私では、今ほどには読みこなせなかったんじゃないかと思います。この当時、よくこれだけの著者に、これだけの事を書いてもらえたなぁ…と感心しきりだったもので、本書の版元の知り合いの編集者さんに、企画した担当者を調べてもらったら…。私も少~しだけ知っている人でした! 当時から、すごく知的な雰囲気を醸す緻密な感じの方でしたが、なんと今は、成蹊大学の教授になられているとのこと! 仕事しながら、大学院に通われてたんですね~!! あっぱれ!

 で、中身はと言うと…、11人の各方面の専門家が、情報技術とインターネットの発展下での著作権制度について物申しておられるのですが、中でも、名和小太郎先生のパートには、ウンウンとひたすら頷いてしまいました。なんというか、軽妙かつ論理的な語り口が、モロに私の好みで、ツボにハマりました(笑)♪ 名和氏の関心や問題意識にすごく共感したわけですが、特に、「ユーザー不在の議論」を問題視されている姿勢にシンパシーを感じました。名和氏が、ある審議会に参加した際、「議論がユーザー不在ではないか?」と質問したそうですが、そのとき事務局は名和氏を指して、「あなたがユーザーである」と言ったのだとか(p.115)。以来、名和先生は、ユーザーの勝手連を通すことにしたそうです。
 誰しもが、著作権法と無関係では生きられない今、“法の不知は守られない”なんて原則に恐れをなさずとも、普通の人が普通にのびのびと、創作や発信が行える世の中がイイな~、、、取り扱い説明書なんて読まずとも、UI に触れるうちに自然と正道を歩めるような世の中がイイな~、、、というのが、法律をかじった私の率直な思い。今後ますます、現今の著作権法について議論されることになると思いますが、私も、この先生の姿勢を忘れずにウォッチしたいものだと思います。

 後半に、当時日本ペンクラブ理事だった秦恒平さんの寄稿もあるのですが、コレがなかなか、旧来の著作者の率直な“著作権考察”として面白かったです。
 そしてまた、“鋼錬”の実写化で気になる映画監督の曽利文彦さんの考察は、前記の秦さんのものとはまた次元の違う、ボーダレス・マーケットを模索するチャレンジングな印象でした。特に、以下の文章は、私の初心を思い出させてくれるものでもあり、読んだ甲斐がありました!
――(p.317-318より) 日本のアニメーターというのは、あれだけ優秀なものを作っているにもかかわらず、非常に低賃金である。たとえば、ある知人のデザイナーは、アニメのメカ系で優秀なデザインをたくさん制作していて、その出版物などがどんどん世に出ている。彼が本を見せてくれたときに、「この本に君のデザインが出ているけれど、印税はいくらもらっているの?」と聞くと、「いや、知らない」と言う。もちろん最初に作品を作った際に、買い取りというかたちなのだろうが、それ以降はお金など一切入ってこないのだ。本になっていることさえ知らなかったり、あるいは本人が自分で本屋で買っていたりするくらいだ。――

 いやぁ~、本書は、もう15年も前の本ではありますが、これから著作権を勉強しようかという人には、是非読んで欲しいなぁ~!

イマジン】 想像してみて、、、著作権の保護期間が5年になった世界を…^^;;;

応用美術の著作権保護】 TRIPP TRAPP事件の判決に共感した後、ふと読んだ「応用美術の著作権保護 ―「段階理論」を越えて ―」という論文に感銘を受けていた私ですが、明後日、その著者である上野先生の公開講座が!
演奏権】 7/14午後の公開講座で“演奏権”について、橋本・福井両先生の講演…聴きたいけどどうしよう。
確認訴訟提起】 JASRACに対する演奏権をめぐる請求権不存在確認訴訟がついに提起されました。。。音楽教室に限らず、公立学校関係者の方々にも、JASRACの利用規程に一度お目通しいただきたいところ(冷や汗が出るケース、結構あるんじゃないでしょうか…?)。

 

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2017年6月13日 (火)

『アキラとあきら』

20170608_220170608_1  池井戸潤さんの『アキラとあきら』を、先週末に読了。
 バンカーの存在意義を、ストーリー仕立てで教えられたような読後感。一度でいいから、バンカーがしたためた渾身の稟議書というのを読んでみたいと思いました。損益計算書や貸借対照表の数字から、企業の来し方・行く末までを全方位的に読み取る術、できるものなら身に付けたい…(笑)。
 また、「人の目を曇らせるのは、無意味な“劣等感”や“自己顕示欲”なんだなぁ…」というのが、しみじみ痛感される一冊でもありました。ダブル主人公の「アキラとあきら」は、いずれ劣らぬ優秀な二人。優秀だから目が曇らないのか、目が澄んでいるから優秀なのか、そこは“鶏と卵”のようですが、事に当たる場合に、いかに余計な雑念を交えずに熟慮できるかの大切さを教えられます。(普通に考えたら、このタイトルで、同期の超優秀なこの二人の間に、何かしら確執めいたものを想像しますが、嫉妬らしきものすら微塵の描写もないところが不思議なほどでした)

 WOWOWオンラインで7月9日からドラマが始まるようですが、上述の“数字を読む”面白さを、ドラマではどうやって再現するんだろう…? 同じテーマでも、書く編集者により全然様相を異にする企画書になるように、同じストーリー展開でも、書く作家によって全然様相を異にする小説になるように、同じ発明でも、書く特許技術者によって全然様相を異にする明細書になるように、同じ罪状でも、書く弁護士によって全然様相を異にする訴状になるように、同じ融資額でも、書くバンカーによって全然様相を異にする稟議書になるらしい。。。その醍醐味こそが、本当は本書の最大の見せ場なんだと思うんですが、素人にはその違いがわからないのがなんとも残念!
 “粉飾”という言葉も何度か登場し、そのたびに、目下行われているであろう某電機メーカーの決算処理に思いを馳せました。世間のそこここで、“チョイと鉛筆をなめる”程度のことは見過ごされているのでは…と感じてしまいますが、巧妙な粉飾も、見る人が見て、然るべく追及すれば、案外見抜けるような印象を本書からは受けました。監査の能力もピンキリなんだろうか…と感じつつ、金策の綱渡り感もまた、ある種のドラマなんだなぁ…と痛感。
 今や、多くの人が会社勤めをし、サラリーをもらって生活しているわけですが、その陰では、社員やその家族の生活を担う経営者と銀行との、丁々発止の資金繰りが必ずや行われている――そういう意味では、様々な人の人生の縮図を見るようで、途中、繁華街の交差点にある喫茶店でマン・ウォッチングしながら読み進めたりしました。お金の問題は、日々の暮らしと切っても切れない現代人の日常――銀行にドラマあり!…と、つくづく感じます。
 人のお金で商売する銀行や証券会社等に対して、なんとなく割り切れないものを感じることも多いのですが、本書に出てくるような「お金を“人”に貸す」人たちになら、手数料や利子を払っても惜しくないかも…と思いました(笑)。池井戸作品を読むといつも、現役時代にきっと、いろいろ悩み苦しみあがいてきたであろう池井戸さんご本人の仕事ぶりが感じられ、等身大の迫真・切迫感を味わいます。今回も、一気に2日で読ませていただきました。力作を、ありがとうございました!

PS:p.623と624に、「彬」であるべきところが「瑛」になってしまっている誤植を2か所発見。あとは前半に1か所、文字抜けがあったかな…?

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2017年6月 6日 (火)

『何があっても大丈夫』

20170530  昨日のブログに書いた、『何があっても大丈夫』――ゆるりゆるりと読み進めるつもりが、あっという間に2日で読んでしまいました。長い長い旅を、走馬燈のように振り返る、ジャーナリスト 櫻井よしこさんの若き日の自伝。ベトナムで生まれ、九州・新潟で幼少期を過ごした後、ハワイ大学に進学し、帰国後にジャーナリストの道へ。。。TVで時折見掛けただけで、“なんとなく古風な考え方の人”という雑駁な印象を漠と持っていたに過ぎなかった彼女の認識が、本書によってガラリと変わりました。こんなにも苦労人で、波乱万丈の人生だったとは露知らず。。。
 女性が、自分の仕事を確立していく、いわゆる今で言う“キャリア形成”の本として読めなくもないですが、一方で、家族の歴史、母・以志さんの限りなく前向きなお人柄が輝いてみえる本でした。

 〔印象的な以志さんの言葉〕
「しっかり物を見なさい。よく考えなさい。そうすれば、どこにいても人間は向上することが出来るんですからね」
「幸せはね、みんなの前にあるの。見つけることが出来るかどうか、それは気持次第なの。大事なことは、神様はどんな人にも幸せになってほしいと思っていらっしゃること」
「誰も見ていないと思っても、神様が見ていらっしゃる。神様が見ていらっしゃらなくても、自分が見ているでしょう。だから、自分に恥ずかしくないように生きなさい」
「寂しさを、未来の可能性につなげてくれるのが、大きな夢ですよ。人間は前向きになってさえいれば、本当に何があっても大丈夫なのですから」
「お母さんはいま、自分をもっと中身のある人間にしなくてはいけない、そのためにはどんなことをしたら良いか考えているの」
「人間はね、一番厳しいことを言ってくれる人がいることを感謝しなくちゃいけないの。一番厳しいことを言われたときに、その言葉に耳を傾けることが、とても大事なの」
「どうしてもその仕事がいやだったら別だけれど、いやかどうかは、実際に仕事をしてみなければ分からないものよ。新しい可能性は挑戦から生まれてくるのよ」

 母親の励ましが、こんなにも子どもに良い影響を与えるものなのか…と自戒させられるとともに、母・以志さんの幼少期を知りたくなりました。また、私のこれまでの人生にはあまりいなかったタイプの、櫻井さんのお父様のような男性(3人の女性を虜にするとともに、それぞれとの間に2人ずつも子どもを作る人)を父に持つことの苦労にも思いを馳せたり。。。あとは、櫻井さんのご出身の長岡高校のように、入学と同時に大学受験を意識させるような教育をする学校もあるんだ…という驚き。受験に対する自身の暢気さを反省してみたり。。。
 大学卒業後も、特にジャーナリストになることなど考えもしなかった彼女が、ひょんなことから仕事の取っ掛かりを掴み、記者という仕事に魅了されていくくだりは、なかなかやりたいことが見つからなくても大丈夫なのかも…と思わされました。彼女を、ジャーナリストの道へと引き込んだ記者さんとの出会いとご縁も大きかったのでしょう。。。
 1・2章の、自立前の時代と、3章の自立後のジャーナリストとしての修行時代とでは、ガラリと趣が変わりますが、どちらも別の意味で勉強になりました。
 ご近所さんが、どうして本書を私に勧めてくれたのかはわかりませんが、「何があっても大丈夫」というメッセージはしっかり受け取りました。私も、以志さんを見習って、もっと中身のある人間になれるようにしないとな~!
(彼女の近著『迷わない。』も、時間を見つけて読んでみようかな?)

【自動芯出し機構】 ぺんてるの3000円のシャーペン“オレンズネロ”がバカ売れだそうで。使ってみた~い!

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2017年5月15日 (月)

『火花』

20170510_8  先週、又吉さんの『火花』の文庫版を、義母のショートステイ先の最寄り駅近くのTSUTAYAで見掛けたので、思わず買って一気読みしました。又吉さんの朴訥とした語り口が好きな私としては、芥川賞の選考基準とか、好きな人の“いらん内面”とか、考えたくないことを考えさせられる気がして、ずっと読むのを避けていたのですが。。。
 「主人公(著者?)はしごくまっとうな人だった…」というのと、「天然のあほんだらって、私のこれまでの人生ではまだお目にかかっていないかも…」という、不思議な読後感でした。スパークスというお笑いコンビが、芸人の道をあきらめて別の道に進むことを決めた後の、最後の漫才の中でのセリフ――
「世界の常識を覆すような漫才をやるために、この道に入りました。僕達が覆せたのは、努力は必ず報われる、という素敵な言葉だけです」というのを電車の中で読んだ私は、不覚にもウルウルしてしまいました。あほんだらに生きたくて、夢中で走り続けたけれど、どうにもあほんだらにはなり切れず、夢破れて常識的に歩むしか道がなかった若者の哀しさ――。昔は、生粋の“あほんだら”こそが芸術家だったような気もするのですが、最近の芸術家は“まっとう”になりすぎているかも…と思わされる一冊でした。文芸賞とかも含め、狂気の芸術家…みたいなのって、最近は見掛けなくなった気がします。そういう人は、現代の資本主義社会では生き残れず、昨今のSNS社会では抹殺されてしまうのか…。
 太宰治や芥川龍之介に心酔する又吉さんにとって、この“まっとうな人”の物語が芥川賞を受賞したことも、自分が芸人として大成していることも、実は複雑な心境なのかもしれないな…と思いながら、本を閉じました。でも、人の評価を気にするより、自分の好きなことを好きなようにやれる幸せを尊重するなら、もらえるものは何だってもらっておくべきだよね。多くの人が、“あほんだら”に生きたい!と思うものでしょうが、人間弱いもんで、やっぱり“まっとう”に生きる道を選んじゃうんですよね~。人生って、切ないのぉ。(巻末の、又吉さんから芥川への手紙文を読んだら、『劇場』より先に、『戯作三昧』をポチっとな、してしまいました)

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2017年5月10日 (水)

かいけつゾロリ30周年!

 なんと?! 原ゆたか先生の『かいけつゾロリ』シリーズは、今年で30周年だそうですね!! 我が家の息子もずいぶんお世話になりました。数年前に、息子の母校の文化祭古本市用に、すべて寄附してしまいましたが、いつもケラケラと笑いながら読んでいた姿を思い出します。“真面目に不真面目”というキャッチコピーが、本当にぴったりだったなぁ~。子どもたちの本離れを、辛うじて止めてくれているシリーズの一つだと思っています。
 次は、目指せ35周年!、ですね!!

【『ネット・バカ』】 本といえば、ある方のブログに、『ネット・バカ』という本の書評がアップされていました。文字や本という、ある種のテクノロジーの発明が、人間の脳にもたらした進化とこの先の展望。本離れが進む中、個人の“思考力”は退化しているのかもしれませんが、集団知の“思考力”はどうなんだろう…?。時間があれば読みたいなぁ~!

【de beer is dood】 ママ友さんのFB記事で知りましたが、故ディック・ブルーナさんが、未発表の絵本を遺していたのだとか。読書好きだったクマくん…天国でもきっと読書に明け暮れていることでしょう。。。

声優起用の目論見?】 今週の朝のNHKニュース中で放送されている「朝ごはんの現場」というコーナー。1日目のナレーションは梶さん、2日目のナレーションは宮野さんでした。。。声優ヲタの心をゆさぶってどうする~?!

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2017年5月 3日 (水)

『死すべき定め ―― 死にゆく人に何ができるか』

 縁起でもない!と、親戚からは叱られそうですが、『死すべき定め』(Being Mortal)という本のKindle版を、月曜の晩に読み終えました。アルフォンス・デーケン先生の「死の哲学」が、もう何年も前から注目されていますが、その外科医版といった趣。全編、死にゆく人に対し、医者や介護者や周囲の人は、何ができるのか?何をするのが本人のために最も良いのか?を考えるためのヒントで貫かれています。後半は、著者のお父様の闘病ドキュメンタリーとなっていますが、涙なくしては読み進められません。著者が、医者として患者と向き合う姿勢と、子どもとして親と向き合う姿勢には、同じ闘病であっても対処の仕方が異なるという時点で、現代医療の未成熟さが露わになっている気がします。
 著者は、本書を書くことで、「高齢者介護の再発明」「現代の往生術」を模索しています。個人的に私が最も興奮したのは、巻頭から40%あたり、ビル・トーマスという医師が、ナーシング・ホームの改革に乗り出す場面でした。無味乾燥だったナーシング・ホームに、100羽の鳥や犬や猫や観葉植物を持ち込んで、命の息吹を吹き込もうと試行錯誤する様は、映画の1シーンのように明るくウキウキする試みでした(継続性はともかくとして…)。
 本書の内容を一言で表すのはあまりに難しいので、ご興味ある方は、PBSの「Frontline」という1時間近くある動画をご覧ください→ココ(途中何度かCMが入ります)。意味が取れなくても、登場人物の表情だけでもずいぶん伝わるものがあります。

 日本においても、現状、以下のような施設があるようですが、どのように使い分けたらよいのか、私にはまだよくわかっていません。
〔老人福祉法に基づく施設〕
・老人デイサービスセンター
・老人短期入所施設
・養護老人ホーム
・特別養護老人ホーム
・軽費老人ホーム
・老人福祉センター
・老人介護支援センター
〔介護保険法に基づく施設〕
・介護老人保健施設

 本人の希望に沿い、周囲も安心でき、よい思い出がきちんと守られる方法とは。。。? ケースバイケースで、本当に難しい問題ですが、我々の今回直面しているケースでは、子どもたち一丸となって、介護付有料老人ホームを勧める方向で話し合っています。。。

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2017年4月19日 (水)

並行読み♪

20170412_8  近頃は、小説やらエッセイやら実用本なんかを読み散らかしている感じでしたが、新年度ということもあり、目下、興味に従って著作権がらみの本2冊を並行読みしています。
 家の本棚を眺めていたら、『デジタル著作権』という本が目に留まり、パラパラしてみたところ、2002年の刊行と古い割に、内容はすごく堅実で良さそうな感じ。。。“積ん読”だったのか、読んだ記憶なし。。。amazonで評価を見ると、星3つで高評価ではないものの、硬派な書き手でとっつきづらいというだけで、真の評価ではなさそうな感じ(?)。
 福井先生の『18歳の著作権入門』は、以前から読んでみたかったのに放置していた本。2015年初版だから、ネット時代の問題が満載に違いなく――。
 この2冊を読み比べることで、21世紀初頭からの15年間で、著作権法がどのくらい、どのように、現実の技術世界に対応してきたかが、見えるかな~…と期待して。おそらく、まだまだ、『デジタル著作権』の著者の方々が描いていた形には程遠い状況なんだろうと予想しながら、のんびりと読み進めています。
 『インターネットビジネスの著作権とルール』とか、『クラウド時代の著作権法』って本も、以前読んだはずなんですが、内容をすっかり忘れているので、このへんもペラペラめくりながら、TPP騒ぎが収まって少し落ち着いた2017年度最初の、真面目な読書にしたいと思います♪

【これからの著作権法】 …『18歳の~』は既に、先週末に読了していますが、最終章(20章)で、1983年の時点で早くも「オプトアウト」式の“超流通”の仕組みを提唱されていた筑波大の森亮一先生のことを知りました。また、先日、AI の知財問題につき、中村先生が議事録を公表してくださっていました。これまで騙しだまし現実に対応してきた著作権法ですが、いよいよドラスティックに変わらざるを得ない時代??!

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2017年4月 5日 (水)

『トヨトミの野望』

20170403_1_2  遅読の私が、たった2日で完読したKindle版『トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業』――尾張の某自動車企業を想起せざるをえない、というか、一瞬“暴露本”?とも思えてしまうほど、関係各位には登場人物の現実の顔が思い浮かんでしまう冷や汗本かもしれません。とはいえ、“事実は小説よりも奇なり”を無理やり小説仕立てにしたような、剛胆な叩き上げ経営者をめぐる群像劇で、抜群の面白さ。
 日本の名だたる大企業が軒並み苦境に立つ21世紀初頭、いわゆる大企業病が蔓延し、寄らば大樹の軟弱化する社員が増える中でも、ビジネスの最前線では命を削って、自社や日本の将来を守ろうとする人たちがいることを感じられました。極度のコスト・カットや、在庫軽減の負担を下請けに回すような施策のすべてを支持するわけではありませんが、“統べる”ということの厳しさや責任の重さは、想像を絶するもので、非情にならざるを得ない場面も多々あることを、経営者視点で納得したり。
 個人的には、「腐らず諦めず、動き続ければなにかに当たる」というフレーズに勇気をもらいました。物語の中に、2人の新聞記者が出てくるのですが、もしかしたらこの2人のうちのどちらか、あるいは2人が、本書の著者ではないかと想像します。そして、この2人が惚れ込んだ型破りの稀代の経営者の功績が、有名自動車企業の歴史から葬り去られそうな状況を打開すべく、本書が執筆されたのでは…とも。さらに、“ペンは剣より強し”を地でいくように、昨今では珍しい硬派な記者が、時代の趨勢を読み、自動車産業に参入するニューフェイスの動きを予期して、国内の自動車企業各社に対し、「出世レースで右往左往している暇なんてない、ガソリンを燃やしてる場合じゃない!」と檄を飛ばし鼓舞しているようにも感じました。奇しくも、読後の翌朝のNHKニュースでは、スズキ自動車の社長が登場し、“選択と集中”による環境配慮を声高に宣言していました。トランプ政権下、ますます激動の時代に入りそうですが、本書の“動く人達”のバイタリティを教師として、果敢に苦境に立ち向かって欲しいなぁ!
 世界を相手にするには、ロビー活動が非常に重要であるとは思っていましたが、本書を読むまで、アメリカでのロビー活動には、政府への登録が必要だとは知りませんでした。あとは、公聴会のシーンで、プリンス社長の苦境を救うかのような発言をした、ケンタッキー州の女性議員がカッコよかった! 日本の政治家にも見習って欲しい!!
 大きな企業の一社員にとって、とかく人事異動での勢力地図の塗り替えは、恰好の酒の肴になりがちですが、“自分はどっち派”なんてセコい見方でなく、本書のような大所高所の視野が大事だな、と思いました。
 新年度で、街でも新人さんと思しきリクルートスーツの若者をよく見かける季節、まだまだ自分の貢献は小さくとも、大きな流れを良い方に変えていく意識で、日々の小さな一つひとつの仕事に取り組んで欲しいな、と思います。あ、それ以前に、私自身がもっと、何かへの貢献を意識した仕事をしないと(笑)!
 刺激的で面白い本を、ありがとうございました!

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2017年4月 4日 (火)

『いのちの車窓から』

20170330_1  発売日当日、近所の書店さんで本書を購入。そそくさと、先週末には読了しました。
 私は、「文章」という文章が好きだったかな~♪ どうして文章を書くのか?という問いに答えたエッセイ。
 多くの人が、年齢を重ねると、丸くなり、感謝の気持ちに溢れてくる傾向にあると思うけれど、彼はある意味老成しているのか、人一倍そんな気持ちでいっぱいなように感じます。
 いつだったか、NHKの「LIFE」という番組で、「あなたの人生は今、何点?」という質問に、その時の自分の年齢を応えた星野さんを見て、「い~ね~♪」と共感しました。どんな生き方をしていようと、人間はきっと、生きた時間分だけ何かしら豊かになっている…と思え、人生ってイカす♪と思えました。本書も、そんな気持ちにさせてくれる一冊でした。素直なエッセイを、どうもありがとうございました~!

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2017年3月29日 (水)

『誰がこれからのアニメをつくるのか?』

20170326_5  長年アニメ業界をウォッチし続けている友人が上梓した新書を拝読しました。
誰がこれからのアニメをつくるのか?』――アニメ旋風が吹き荒れた2016年が明けたこの時期の刊行は、グッド・タイミングだと思われます。
 アニメ・ビジネスにおいても、キーワードは「グローバル化」と「インターネット」。少子高齢化の進む日本の中だけにターゲットを絞るのはもはや現実的でなく、必然的に世界を目指さざるを得ない状況ではありましょうが、その際キーとなるのが、「中国資本」と「配信ビジネス」だとのこと。様々なデータを交え、業界の今後の未来予測をしながら、ポスト宮崎駿となりうるクリエイターを概観し、制作・製作者、配給・配信者等の新しいプレイヤーの可能性に迫る、充実の一冊。客観的データ満載でとても勉強になりました! 工夫次第で、まだまだコンテンツ・ビジネスの形も様々な可能性があると前向きに感じられます。
 クールジャパン構想のなりゆきは今ひとつピンと来てはいませんが、日本発のアニメが人の心を柔らかくし、世界を和やかにしてくれるものと信じて、陰ながらいろんな人を応援しています。年々、その豊穣さをアップデートするかのような昨今のアニメーションですが、制作現場の改善や、配信の工夫を重ねつつ、これからは、作り手もワールド・ワイドに協力し合う時代なのかもしれないなぁ~と思いながら本を閉じました。


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