タイムスリップ1997-10
ママのかわいい子猿ちゃん
ママが尊敬する人のお話です。
これは妊娠とは何の関係もない話なのだけれど、もしかしたら、妊娠によって勘が鋭くなっていたせいかもしれないので、ちょっと書いておきたいと思う。
私は、以前から、マザーテレサのことを大変尊敬していて、学生の頃、大学を訪れた彼女の話しを聞いたり、修道女になりたいと言って両親を驚かせたりしていた。ずいぶん身勝手で、多くの人を傷付けている割に、自己犠牲の精神も一応合わせ持っていたのだ。修道女になる夢は、さすがに親の説得や本人の心のうつろいで、むなしく果ててしまったが、それでも、彼女を尊敬する気持ちに変わりはなかった。
全然話しは変わって、私が昔から興味を持っていた「シンクロニシティ」という現象がある。遠藤周作氏が確か本を書いておられたと思うが、私には、このシンクロニシティという現象が頻繁に起こる。自分が誰かのことを考えると、その人に偶然会うとか、夢でみると、その人から手紙が来るとか・・・そういった、ちょっと不思議な現象だ。
さて、話しは現実に戻って、妊娠中でなおかつ仕事が忙しかったある夜、私はまた残業でタクシーに乗って帰宅することになった。たいていは静かに乗っているのだが、たまにおしゃべり好きな運転手さんのタクシーに乗り合わせると、少しはおしゃべりに付き合うことになる。その夜も、とりとめなくいろいろな話しをして、12時50分頃だろうか、ダイアナ妃の葬儀の話しになった。「いやあ、なんか疑惑ありげだけど、今年はずいぶんいろんな有名人が亡くなるねえ」と、運転手さんが言った。私はその言葉を聞いた瞬間、なぜだかよくわからないけれど、ぴぴっと、マザーテレサの顔が頭をよぎった。どこかで、ダイアナ妃とマザーの会見の様子を見ていたせいかもしれない。「そういえば、マザーテレサってまだ生きてますよねえ?」、私は脈絡もなく運転手さんにそう質問していた。「うん、たしか御健在じゃないですか?」、運転手さんもそう答えて、話しはまた別の方向へと流れていった。その晩は、そんなこんなで家に着いて、タクシーでの会話はすっかり忘れてしまった。
ところが、翌日、会社でインターネット新聞を読んでいたら、彼女が昨晩1時に亡くなったとの報道がされていたのだ! 私はその記事を見た途端、「あっ、まただ!」と思った。しかもかなり正確なシンクロ! 心の中で、御冥福をお祈りした。
私は、マザーのように誰にでも限り無い愛情を無償で注げるような人間ではないけれど、せめて自分の子供には、いつでも温かい気持ちで接したいと思ったのだった。
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