タイムスリップ1997-20
ママのかわいい子猿ちゃん
水天宮も戌の日はとっても混みますけど、やっぱりみんな安産を願うものだからね。
11月4日は戌の日だった。お腹が目立ち始めた妊婦が戌の日に腹帯を巻くと安産できるという言い伝えに従って、私もこの日、腹帯を巻いた。昔のようなさらしの腹帯ではなく、現代的なコルセットだ。まだ腹帯が必要なほどお腹が出てきたわけでもなかったので、本当に形だけのことだけれど、「安産」と聞くと、ついついそんな言い伝えにも従いたくなってしまうのが人間の弱いところ。何せ陣痛や出産の痛みは、どんな形容もしがたく、これまで経験したどんな痛みとも違うと聞かされているので、少しでも痛くないように願ってしまうのだった。私は、身体を締め付けられるのが嫌いで、着物やガードルといったものとは無縁の生活をしてきたし、世の中の人全部がヌーディストになればいいと密かに思ったり(ホントか?)しているので、コルセットもできればしたくなかった。でも、大きなお腹をあまりタプタプとさせて歩くのはやはり歩きづらいので、妊娠後期はしぶしぶとつけていた。さらしの腹帯は結局一度もしなかったので、未だに巻き方がわからない。コルセットと違って融通がきくので、さらしの方がいいという人もいるようだが、私にはとてもあんな七面倒臭いことはできそうにない。
腹帯も人生で初体験だったが、それ以上にショッキングな体験は、「妊婦用パンツ」との出会いだった。そのうち必要になるからと買っておいたパンツの袋の封を開けて、目の前に広げてみた。な、な、なんだこれー?? あまりの大きさに唖然となった。これじゃあ横綱じゃないか? こんなのみんなはいてるの? 大きくなり始めた私の出っ腹もすっぽりと包み込んで余り有るゆとりの仕様は、確かに臨月までしっかりフォローしてくれるのだろうけれど、さすがの私も、その恥じらいも何もないデカパンの迫力にはタジタジとしてしまった。まあ、お腹の赤ちゃんを圧迫せず、ゆったりと温かく包み込むのだから、見かけなんか気にしてられないけれど、あのパンツをはいて初めて「ああ、妊婦なんだ・・・」と実感されたような気もする。世のお母さんの中には、あれをはいて以来、出産後も元のパンティーには戻れず、ゆったりパンツのまま過ごすようになる人が多いらしい。私は絶対そうはなるまいと心に誓ったのは最初のうちだけで、お腹が大きくなり邪魔でなかなかパンツをはくのもままならなくなった頃には、このデカパンが何とも愛おしくなっているのだった。
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