タイムスリップ1997-3
ママのかわいい子猿ちゃん
今日の一文は、キミの存在を職場の人たちにお知らせしたときのことです。
世の働く妊婦さんたちは、果たして、どのように最初、懐妊を職場に告げているのだろうか? 産婦人科で懐妊が判明して、その足で職場に向かう道すがら、私は頭の中でいろいろとシミュレーションしてみた。私の勤務する編集部はその当時総勢8名で、男性5名女性3名(自分含む)。お子さんのいるのは編集長と副編の2人、既婚は4人(自分含む)。平均的には、子供とは縁のない人間の方が断然多いわけだ。こういう人員構成で、いきなり「子供できましたー」と言うのもバツが悪い。誰かおしゃべりな人にそっと話して、あとは噂で広まるのをじっと見守る・・・というのも何だか無責任な感じ。一人ひとりに事情を説明するのも、ちょっと大袈裟。ただ、これからどういう体調で、いつどういう仕事を他の人にお願いすることになるかもわからないから、一応、状況は知っておいてもらった方が得策だろう・・・。あれこれ考えているうちに編集部に着いてしまい、これは臨機応変に対応しようということで気持ちを静めた。
その日、編集長は外出で編集部には来ないことが判明。それで思い付いたのがメールだった。本当は直接報告するのが筋というものだけれど、こういう時、メールというのは実に便利な代物なのだ。『直接お話するべきことですが、取急ぎ御報告ということで・・・』と前置きして、その日のうちに編集長にだけメールで報告した。これであとは、少しずつ部員全員に話していけばいいや、ということで一件落着。
それにしても、親族や女友達に報告するのは問題ないとして、職場の人間に懐妊を報告するというのは、何とも小恥ずかしい感じで、心苦しくもある。嬉しいことには違いないが、仕事の同僚や雇用主にしてみれば、「とんだお荷物」と思われても仕方ない部分もある。みんなに子供がいて、男性女性問わず育児休暇も取るような状況なら、「ああ、今度はあなたの番ね」という感覚で持ちつ持たれつやっていけるのだろうけれど、まだまだ女性が働きながら子供を産むというのは、「お荷物」意識を拭い切れないものなのだなぁと実感した。
幸い、我が編集長はユーモアのわかる人で、後日、「私も妊娠経験はないので・・・お医者さんの意見を聞きながら、働き方は相談しよう・・・云々」という返事を、これまたメールでいただいた(注:編集長は男性)。妊娠中は、職場の人の理解のあるなしで、精神状態もずいぶん違うことだろう。私の場合、このメールの往復を始まりにして、この上なくいい職場環境を与えられた気がしている。
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