タイムスリップ1997-24
ママのかわいい子猿ちゃん
「動いた、動いた!!」その感動は、女性にしかわからないものなんです。
11月16日、その夜はワールドカップサッカーのアジア最終予選で日本がイランと対戦するという日、私のお腹でも興奮している人がいたらしい。朝食を食べ終わってのんびりしていたら、ピョヨ~ンという感じで胎動を感じた。どんな感覚かうまく表現できないのだけれど、お腹の中で鯉がはねた感じ、とでも言おうか。以前読んだ本の中に、「金魚が泳いでる感じ」という表現があったけれど、それよりちょっと大きな気がした。これまでは、病院でエコーの診断をしている時くらいしか、お腹に子供がいるという実感を得られなかったけれど、胎動が始まると突如、子供との一体感が生まれる。「あっ、動いた!」と思うたびに、それが、こちらが見たり聴いたり食べたりしたことへの反応のように思えて、ついついいろいろ声をかけてしまう。私の子は、電車の中と、就寝前が最も活発で、お腹の内側をボコボコ蹴ってくれた。電車の中で思わず「ウッ」と声を上げてしまったことも何度かあった。
胎動記念日ということでその日は一年ぶりくらいでパウンドケーキを焼き、夜はしゃぶしゃぶにした。サッカーは延長後半までもつれ、最後の最後に悲願のVゴール。3対2で手にした勝利の興奮の余韻もさめやらぬまま、パウンドケーキと紅茶で胎動記念&勝利のお祝いをして寝た。
胎動なんて大して気にしないという人も多いかもしれないけれど、私はこの胎動を、赤ちゃんの様子を知る大切なバロメーターとして活用することをお勧めしたい。赤ちゃんが元気なら胎動も大きく活発だろうし、今寝てるとか起きてるというのもぼんやりわかるし、胎動を感じるたびに赤ちゃんの様子をイメージすることで、出産前から子供と関われる気がする。私は、妊娠後期、まだ心音を聴くだけの定期検診の時に、どうもお腹の下の方(股の方向)を蹴られている気がして、病院の先生に「もしかして逆子じゃないでしょうか?」と尋ねたら、検査の結果本当に逆子だった、ということがあって、それ以来、胎動には益々注意するようにした。胎動を感じるのは嬉しくもあるが、あまり動かれると、「エイリアン」のお腹を喰い破って出てくるシーンを思い出してゾッとしたりもするのだ。いずれにしろ、とても奇妙な感覚であることは確かで、これを感じられない男性を気の毒に思う。
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