タイムスリップ1997-26
ママのかわいい子猿ちゃん
人数が一人増えるってことは、単純にお金もかかるって事実は、まじめに考えるとずっしりきますね。
11月下旬、三洋証券や北海道拓殖銀行、山一証券などが相次いで倒産や自主廃業の憂き目にあっているニュースを見せつけられて少々ナーバスになり、思わず家計の総額確認などしてしまった。これから産休・育休に入り収入は減る上、子供の養育費にはこの先いくらかかるかわかったものじゃないから、せめて銀行の利率ぐらい良くなってもらわないと・・・という気分なのに、世の中不景気このうえなく、お先真っ暗という状態だ。銀行の利息が3%だった頃、利息の価値などほとんど意識したこともなく、財テクに頭を悩ますこともなかったけれど、ひとたび0.2%なんていうとんでもない利率が常識になってしまうと、少しでも有利な所を・・・と血眼になってしまう。1000円の利息をもらっていたのが100円以下になるというのだから、人間あさましくもなる。
私はもともとは経済観念など欠落した人間で、土地なども人類全体の資産なのだから、それを切り売りするなんておかしい、と思っていた。いわゆる共産主義に片足を突っ込んだ感じで、必要最低限の衣食住に事欠かなければ、あとは無用の長物、くらいの淡白さだった。しかしそれは、恵まれた環境で何不自由なく暮らしてきたから生まれた考え方で、この年のように不景気感が強まると、さすがにそうも言っていられなくなってきた。柄にもなく、夫を説き伏せて宝くじを買ってみたり、郵便局の定額預金に貯金を移してみたり、あれこれと無力なあがきを試みた。うちの親は子供二人を私立大学まで行かせてくれたし、夫の親も、子供三人を私立大学に行かせた。これから子供ができる私達には、今後どれくらいの教育費・養育費が必要なのだろうかと考えると、親の偉大さをつくづく思い知らされる。
せめてもの救いは、1995年に育児休業法が改正されて、給付金制度が良くなっていたこと位だろうか。育児休業の期間中でも、厚生年金や健康保険の一部を企業が負担してくれるし、これまでの給与の20%は職業安定所から給付される。また、復職後一年勤務すれば、さらに5%も給付されることになっている。働いてもいないのに給料がもらえるなんて、ちょっとおかしい気もするが、将来国家を支える一員を養育しているという公務員的考え方をすれば、まだもらい足りない気もしてしまう。地域によっては、子供を一人産むと、うん百万円給付してくれる所もあるとか。少子化対策に政府もあれこれ頭を悩ませているようだが、私が思うに、やはり一番効果的なのは、先立つものを与えてくれることではないかと思う。それが無理なら、よほど勤務体系で優遇して法律的に保護してもらわないと、なかなか女性は重い腰をあげないのではなかろうか?
サッカーでフランスに行けても、土井さんが宇宙遊泳しても、人が生きていくにはやはり、お金が必要なのね、と、夢のない資本主義の厳しい現実が身につまされた。
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