タイムスリップ1997-29
ママのかわいい子猿ちゃん
妊娠中も仕事は普通に降ってきて、場合によっては徹夜もあり!
12月10日。またしても妊婦としては少々無謀な一日を過ごしてしまった。この頃、私は一冊の人気イラストレーターさんの画集を編集していた。監修のメーカーさんがとてもこだわりのある人たちで、普通なら印刷所に任せてしまう最終行程でもチェックを入れたいとの要望を飲んで、私もそれに付き合うことにした。ところが、その印刷工場は埼玉県の本庄というところにあって、特急電車でも上野から1時間あまりかかる。しかもラインが動くのは夜中ときた。
朝、出社してメールチェックその他雑用をこなし、夕方そのまま大宮の実家へ行き、そこでワゴンカーを借りて本庄へ向かった。渋滞に巻き込まれ、3時間かけてようやく工場へたどり着き、印刷の済んだ2折りのチェックをしたあと、仮眠室でしばし休息してから1時に復活。4時までチェックして、それからまた車で大宮まで帰り、6時に帰り着いて就寝。結局この日は1~2時間しか休めなかった。
・・・と、ほとんど愚痴にしか聞こえないけれど、私としては無謀ながらも楽しい仕事だったと感じている。滅多に見られない印刷行程を解説してもらったり、メーカーさんと長時間作業を共にして、不思議な信頼関係が築けた気もした。仕上がりは今一つ納得いかない点もあったのだが、やるだけのことはやったという充足感と、技術的な限界を自分の目で確認したこともあって、その後の作業ではメーカーさんの方もあまりうるさい注文を付けなくなっていた。
編集作業的にも無謀だったし、妊婦の身体的にもかなり無謀だった。何より、大宮から本庄までワゴンを運転したことが、私を一番不安にさせた。周囲の人は皆心配してくれ、止めたりもしてくれたのだが、ここまで来て最後の仕事を人に任せてしまうのは嫌だった。母子手帳を持っていればシートベルトは絞めなくてもいいという印刷所の人の助言で、お腹を圧迫せずに済んだのは良かったが、その分、事故らないようにと神経を使ったのがこたえた。無謀の連続だった仕事のあとには、しばしの甘い休息と、なかなかの出来の画集が私を待っていてくれた。
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