タイムスリップ1997-31
ママのかわいい子猿ちゃん
名前って一生つきあうものだから、大切に大切に決めたいですね。
年末年始、私達夫婦は暇さえあれば名前談義に明け暮れた。人の名前とは面白いもので、なぜかは知らないが、たいていの場合その人となりは、名前にしっくりと馴染んでいるものだ。多くの人が自分の名前について一度はいろいろ考えているだろうから、自分の子供の名前を考えるのは、たいていの場合かなりのプレッシャーなのではないだろうか?
私には、名前に関して暗い過去があった。小学校の頃、国語の授業で、「『まゆみ』というのは優しい響き、『たかこ』というのは堅い響きがある」というような言葉の音感の話しが出てきて、それ以来、『たかこ』という自分の名前は堅いものなんだ、と潜在意識に刻み込まれ、性格的にもなんだか堅くなってしまったような気がしていた。だから、子供には、優しくて温かい響きのある名前をつけたいと漠然と思っていた。ただ、今回、名前についていろいろ調べているうちに、尊子の尊という字の上の酋というのは、酒を入れる器を意味すると知って、なんとなく酒に強い自分らしくて、バッカスみたいでいいかな、と思えるようになった。
夫の方は、自分の名が『誠』で、兄弟が『登』と『稔』だったので、なんとなく、漢字一字にしたい気持ちがあったらしい。で、候補に上がったあれこれを思い出に挙げておくと、『嶺(りょう)』『亮(りょう)』『亮(まこと)』『陽(あきら)』『翔(しょう)』『祥(しょう)』『羅菜(らな)』『陽子(ようこ)』などだった。出産直前には、男の子でも女の子でも『陽(あきら)』にしよう、と二人で言っていたのだが、両親は、「女の子で『陽(あきら)』はないんじゃない?」と反対していた。これらはだいたいが、雰囲気の良さもあるが、アニメのキャラクターからいただいている感じがあって、どうしても、『陽(あきら)』に決める前にもう一度、大友克洋さんの『AKIRA』だけは見直してみないと・・と話していた。
で、お正月休みに『AKIRA』を観た。当時の技術からすれば、このアニメーションの出来は本当に素晴らしかった。ただ、原作の途中までのアニメ化で、AKIRA君の姿が今一つはっきりしないので、あまり参考にはならないということで、気にしないことにした。この『AKIRA』も『黒沢明』も、世界的に有名なことは間違いないので、それに「太陽のように明るく大きく温かく・・・」というニュアンスを加味して、ばっちり、夫婦ともどもお気に入りの名前となった。夫は、物理学者のはしくれらしく「陽子はすべての物質の根源だから・・・云々」とぶつぶつ言っていたが、私はその辺は適当に聞き流した。それぞれの思惑はどうあれ、こんなに平和的に意見の一致をみるのは珍しいことだったので、私達の子供の名前はもう、この時点でほぼ確定してしまっていたのだった。
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