タイムスリップ1997-33
ママのかわいい子猿ちゃん
会社勤めをしていると、産休・育休の申請などは気を使うものです。
出産予定日まであと3ヶ月ほどになった1月のある日、人事課の女性から呼び出しを受け、産休・育休の説明を受けることになった。これまでも再三再四、メールでその人とはやり取りしていて、私の方から、産休中の給与のことや社会保険・厚生年金の扱いなど、いろいろと質問していたから、今回のミーティングではそれらを再確認して、書類を取り交わすことになったわけだ。一応事情は把握していたが、いざ様々な手続きを始めるとなると、なんだか、いよいよだなという気分になって緊張した。入社以来、人事の人と話をするのも久しぶりだったし、大きなお腹を抱えて、人事課の横の部屋へ入るのもとても気が引けた。会社によっては、出産が決まるとそれとなく肩たたきされるような所もあるらしいから、ミーティングの前はなんとなく、「負けてなるものか」的なアグレッシブな気分でいた。けれど、担当の人と直接話を始めると、そんな気負いは吹き飛んで、とても親身になって説明してくれる相手の人に好感をもった。
なんでも、毎年産休の申し出をする女性は多くても3人くらいのもので、今年度はまだ私一人だというから驚いた。手続きに必要な書類は各種様々で、クリアファイルにきれいに整理されていて、要点や注意事項も既に添え書きしてくれてあったので、非常にわかりやすかったが、人事の方にしてみたら、ずいぶんな手間だろうなぁと思うとまた申し訳なくなった。数年前に比べて待遇もずいぶん改善されているらしく、予想していたよりいろいろ補助があるらしくて安心した。育児休暇も終えて復帰するときにすべての収支決算をしてみるつもりでいたが、真っ赤赤というほどでもなさそうな雰囲気だ。
滞りなくすべての説明を終えると、担当の女性は最後に一言こう言った。「では、最後に再確認させていただきますが、必ず復帰なさってくれますね?」!!! 私はまさか、肩たたきこそされても、こんな確認をされるとは思ってもみなかったので、その言葉をありがたく受け止めて、しっかり返答して頭を下げた。別に私の腕がいいからというわけではなく、単に休暇中の社会保険料を半分ほど会社が負担するから、辞められると損になるというだけのことなのだが、それでもとてもありがたい言葉に変わりなかった(私が産休に入ってから政府は、この会社の負担をなくす旨の方針を打ち出した)。
こうして、面倒な書類をごっそり受け取って、私は意気揚々と編集部に戻ったのだった。
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