« タイムスリップ1997-45 | トップページ | タイムスリップ1997-47 »

2006年8月 1日 (火)

タイムスリップ1997-46

ママのかわいい子猿ちゃん

きたーー!

45.初めての陣痛が来た!

 安静入院させられて、不味い昼食を食べ終えた12時25分、病院のベッドで一人横になっていたせいか、神経が研ぎすまされた感じで、前駆陣痛のような痛みを感じた。そもそも陣痛というのがどんな痛みなのかわからないのだから、身体のどこかがちょっとだるかったり痛かったりすると、それはすべて陣痛ではないかと疑ってかかっていたので、これも怪しいことは怪しい。
 病室は4人部屋だったが、私を含め3人の患者が入っていた。私以外の二人は妊娠中毒症の人で、もう2週間も入院しっぱなしという人もいた。私もここでしばらく安静にして1週間後くらいに生まれるのかなぁ・・・と漠然と思った。今日生まれれば花祭りで仏様と一緒の誕生日になるのに~などと残念がって、午後は鬱々としてベッドに横になっていた。夕方、父と母が来てくれ、ありがたい差し入れを置いていってくれた。夫には夕方電話を入れ「とりあえず安静入院したけど、予定日はまだ1週間先だからねー」と暢気に話しをした。
 ところがその夜、8時を少し回った位の頃、また鈍い痛みが私の腰を襲った。生理痛のようなず~んという感じの重い痛みだった。私はとにかくメモ魔で、暇さえあれば気付いたことをなんでもメモっておく質なので、痛みを覚えた時刻もメモしておこうと思い立った。以下、痛みの間隔である。
20:08、20:28、20:44、21:01、21:44、22:03、
22:12、22:31、22:41、22:57、23:07、23:18、
0:01、0:15、0:29、0:42、0:52、1:01、1:07。と、ここまで来て、時間間隔が短くなっているのに気付き、さすがに心配になってナースステーションへ報告に行った。まだ産まれるわけないとは思いつつも、絵に描いたように見事な陣痛の移り変わりに、かなり動揺していた。ステーションには看護婦さんと助産婦さんの2人しか宿直がおらず、陣痛室で様子を見ることにした(陣痛室はステーションの隣にある)。陣痛とはまこと不思議な現象で、痛いときとなんでもないときとが、交互にやってきて、その間隔がだんだんと短くなり、しかも痛みが増してくる。さも、これから来る激痛に備えさせるかのように、忍者の修行のごとく、じわりじわりと厳しさを増してゆくのだ。私は陣痛室でその経過に身をゆだねながら、痛いことは痛いながらも、陣痛の規則性が面白くて仕方なかった。
 これが私の生まれて初めての長~い長い夜になるとは、想像もしていなかったのだった。

|

« タイムスリップ1997-45 | トップページ | タイムスリップ1997-47 »

育児」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« タイムスリップ1997-45 | トップページ | タイムスリップ1997-47 »