偽装の嵐
「耐震偽装」や「食品表示偽装」など、モラルハザードでどんどん明らかになる昨今の「偽装」騒ぎ。ついに「再生紙」までが偽装だったことが明るみに……。出版業界にいたから、製紙会社には常にお世話になっていたわけで、昨年の製紙会社のTOB騒ぎなども気にはなっていた。競争が激しく、利益を極限まで追究しようとしている会社は、常にこうした「偽装」の危機を抱えていると思う。プレッシャーに耐え切れない現場は、なんとかして期待に応えるべく工夫を重ねるわけだけれど、ひとたびそれをモラルハザードで回避してしまうと、あとは雪だるま式にハザードが膨らんでいくのだろう。
「再生紙は高くつくから使えない」と、何度業務局から再生紙利用を断られたことだろう。「高くつく」はずの再生紙が、本当はそれほど費用をかけずに作られていたとしたら、そのサヤは一体どこに吸収されてしまったのだろう……と考えると、やりきれない。
人間誰しも、「良く見せる」ために多少の取り繕いはするものだろうけれど、昨今では「サブプライム問題」の一因たる「格付け会社が気前よくトリプルAを付ける」等、組織だった“取り繕い”が横行しているように思える。「ありのまま」を見せたら信用を得られないなんて、悲しいなぁ。
そういえば、今朝の新聞にこんな記事も。
「環境債務:2010年度企業会計から投資家への明示義務化
企業が所有する土地や建物が有害物質に汚染され、浄化措置などが必要だと判明した場合、あらかじめ処理費用の計上を義務付ける会計基準が10年度から導入される見通しになった。企業が抱える環境債務を投資家に明示し、企業に有害物質の処理を促す狙い。日本の企業会計基準を決める「企業会計基準委員会」が昨年末、草案をまとめ、近く正式決定する。」
貸借対照表への新しい項目追加ということで、企業会計のテキストも、また改訂されちゃうなぁ。
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