『お金は銀行に預けるな』
昨年暮れに読んだ、勝間和代さんの『お金は銀行に預けるな』がベストセラーになっている。年明け早々のクローズアップ現代では、1時間半の特集で、マネーの新潮流を特集していた。確かにここのところ、マネーの流れが尋常でないような気がしている。お金を稼いでいる会社や国が、かならずしも高い理念に基づいているとも言い切れないことは、「資本が力関係の構図をつくる」という資本主義の根幹に、茫漠とした疑念を抱かせる。
今年は、退職することもあって、新年早々銀行を飛び回り、余裕資金の運用について勉強すべく、3つの新規口座を開いてヨーイドンでトライアル運用を始めてみることにした。そんなことができる身分ではないのかもしれないけれど、勉強と思って、これまでの蓄えを勉強資金にした。
さてはて、「お金に働いてもらう」という意味が実感できるかどうか、、、不穏な政情やオイルマネーの席巻に振り回されることなく、マイペースでマネーフローを考えたいところだが。。。
それにつけても、養老さんの「自分が儲かると、どこかの誰かが損をしている」という健全な考え方は、現代のマネーフローでは忘れ去られているのか、誰もが持続可能な成長を望むことの幻想性というのは、ほとんど語られることがないのが不思議でもある。サブプライム問題などは、まさに勝間さんの言う、「賢い人が賢くない人から搾取する」仕組みそのものではないかと思われ、そうした仕組みを作り出した人たちに非難の声が上がらないのがさらに不思議なのだけれど――。
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