Green is green ??
昨晩のニュース23に、養老孟司さんが登場。環境問題対策について一言、という内容だった。「温室効果ガスを6%減らしたければ、GDPを6%減らします、と言えばいい、以上終わり」――端的に言えば、これだけのメッセージ。まったくおっしゃるとおりです。アメリカでは、“Green is green”(環境は金[ドル札]になる)と言われているそうだが、これについても養老氏は“花見酒”という落語のネタを例に痛烈な批判を加えていた。経済は回っているように見えても、要するに限りあるものを消費しているだけで、経済自体は何も生み出さない、ということだ。
今、『図解 決算書、ここだけ見ればいい!』という財務諸表の見方の本を読んでいるのだが、勉強すればするほど、“経済の仕組み”というヤツが、そら恐ろしくなる。Green is greenどころか、「ある日パパと二人で、語りあったさ、この世に生きる喜び、そして悲しみのことを♪」のグリーングリーンな気分である。
この“Green Green”という曲は1963年にリリースされたそうだが、当時は人種差別問題への関心が高まり、ベトナム戦争が泥沼化していた頃。歌詞は日本語版とはだいぶ違うようだけれど、リードボーカルだった人がシングルで最初に出した“Eve Of Destruction(明日なき世界)”が、核兵器による人類破滅の恐怖を描いているそうだから、社会問題に対して敏感な人だったことは伺える。
ここ数年、環境問題ばかりでなく、なんとなく世界がきな臭い。黒海周辺などは民族紛争の嵐だし、EUとアメリカと中国とロシアという国家間対立に加え、北朝鮮だインドだと、国家間の駆け引きが妙にあざとく感じられる。水島精二監督の「ガンダム00」の世界が、まるで普段のニュースのように見えてしまうから怖い。
ともあれ、私の後ろでは今、今晩のカレーを煮込む圧力鍋がシュンシュン言いながら、よい香りを立ち上らせている。環境問題も民族紛争もどこ吹く風で、朝っぱらからこんなブログを書いている私に、何も言う資格はない。せめて家族が、悲しみよりは喜びについて多くを語れるように、身の回りを整えておくくらいしかできませんな。
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