『サブプライム問題とは何か』
昨晩、宝島新書の『サブプライム問題とは何か』読了。20世紀末からじわじわと問題化してきたアメリカのサブプライム向けの住宅ローンにまつわる経済問題が、世界規模の金融恐慌にまで発展してしまうまでの過程が、とてもわかりやすく書いてあった。
問題の根幹は、昨今の様々な問題と根を同じくする、モラルハザードと複雑化した経済。著者は、ローンを証券化する技術について、“金融技術の発展”と書いているけれど、私個人としてはこれを“発展”と呼ぶべきかどうか、悩ましく感じた。また、銀行がローンの権利を売却して“オフバランス化”することにより、貸借対照表の“見かけの資産”を減らし、資本を増やさずに新たなローンを生み出していく様は、簿記の仕組みが本当に妥当なものなのかという今の私の疑問に新たな輪をかけることになった。簿記のイロハを若干齧ってみると、現代の会社の大半は自転車操業になっているのでは、、、という疑念を抱かざるを得ない。私が今最も恐れているのがこの言葉「自転車操業」。これについてはこれからもっと考えていきたいと思っているのだけれど、今や政府規模でも「自転車操業」が行われているように見え、アメリカの財政赤字は過去最大規模。日本時間の今晩からは、スーパーチューズデーに突入し、大統領選も山場にさしかかる。果たしてアメリカ国民は、クリントン氏を選ぶのか、オバマ氏を選ぶのか。どちらにせよ、自転車のペダルをこぎ続けなければならない。
今の我が家の究極の夢は、“自給自足の生活”ができる下地作りをすること(笑)。少なくとも、麦と野菜くらい自給できる状態にあれば、世界経済の自転車のペダルが多少ギクシャクしても、そう動じずに済むはず(大笑)。……と、読んだ本の内容があまりにスケールが大きい問題だったために、大風呂敷を広げてしまった!
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