霜月二十日の丑三つ時
3年生最後の授業日の今朝、息子に訊かれた。「霜月二十日って何の日か知ってる?」――はぁ?ビッグカメラのカレンダーで近頃一生懸命「睦月如月…」と陰暦の月の名を覚えているのは知っていたけれど、その唐突な質問はなんじゃ?? 「さぁ、知らないなぁ」「それはね、モチモチの木に灯がともる日だよ。霜月二十日の丑三つ時に、モチモチの木に灯がともるの」――だそうだ。
モチモチの木は、私も小さい頃絵本を読んで、格別の印象を抱いた作品だった。滝平二郎さんの独特の切り絵と、誰にでもある夜への恐怖心が、子どもごころには特に響いたのだと思う。息子の国語の教科書にそれが載っていて、3年生の最後にそれを勉強しているらしい。弱虫豆太がじさまのために、臆病風を吹き飛ばして夜道を走る様は、息子にはどう映っているのだろう。自身のことをじゅうぶん“弱虫”だと自覚している息子にとって、豆太のこの勇気は賞賛に値するもので、「ぼくもいつか強くなれるかな?」という期待とともに、モチモチの木に灯がともる日を待ち望んでいることだろう。
いつの日か、息子が豆太のような勇姿を見せてくれたその時には、言ってあげよう――「今、モチモチの木に灯がともったネ!」と。
「試験当日まで、残り29日」
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