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2008年3月23日 (日)

『中学受験で子供と遊ぼう』

Chugaku_book  知人に紹介されて読み始めた『中学受験で子供と遊ぼう』という本。あまりに面白くて、今の我が家にとって切実な内容で、一気に読んでしまった。もう十年近く昔の話だから、きっと昨今の中学受験事情とはちょっと違う面もあるのだろうが、著者夫婦が放送作家さんとTV局勤務の記者さんということもあり、ウィットに富んでサービス精神旺盛な内容に、ぐいぐい引き込まれてしまった。ご主人はいつもジャージで打ち合わせに出かけるような大学中退の放送作家さんで、奥様は新聞学科卒でTBS社会部の記者さんという共働きの取り合わせがまた面白い。文章も、ご主人の方は嫌味なく楽しい人柄を感じさせ、奥様の方は正義感溢れるもののちょっと近寄りがたい厳格さを漂わせており、その風情の違いがまたよかった。二人とも、「子どもは公立の学校で雑草のようにたくましく育てたい」という考えで一致していたにもかかわらず、いろいろ考えた末に決意した中学受験。我が家と似た経緯から始まり、受験勉強で一緒に遊ぶ時間を削られる分、親は遊ぶつもりで子供の受験勉強に付き合う様がほほえましい。
 何より感心したのは、ご主人のただならぬのめりこみ方。こういう人だから、放送作家としてもコンスタントにいい仕事を続けているのだろうなぁ、、と思わされた。また、最近私も見直したばかりだけれど、中学受験の問題というのは、なかなかどうして、つまらない暗記やパターン問題とは違って、出題者の人格や考え方・思想、学校の校風なども表すような奥深さがあることを、わかりやすく説明してくれていた。私が今勉強している情報処理試験などよりよほど人間くさく、味がある。私が長らく試験勉強というのが嫌いだったのは、試験問題の無機質的なところが耐えがたかったからかもしれない。現場の方が面白いし勉強になる、といつも思っていた。が、中学受験の問題は、それこそ学校や年度にもよるのだけれど、オトナが解いても十分に面白い。自分が子供の頃にこうした問題群に出会っていたら、もう少し洒落た人間になっていたかも、と思わされる。
 秀逸だったのは、塾の勉強風景で、「開成コース」の子供は皆一様に塾配布のハチマキをして勉強に勤しんでいるのに対し、「武蔵コース」の子供は、ハチマキはせずに踏んづけたり首に巻いたり、思い思いに取り扱っていた、という場面。本書の中での著者の主張は、「受験勉強も中学選びも、子供それぞれの個性に合わせて考えるべき」というものなのだが、入学する前から、すでに子供のカラーがここまでハッキリと分かれているものなのか、と唸らされた。果たしてうちの息子には、どんな受験勉強体制と、どんな学校が、彼の個性にピッタリフィットするのだろう?? これから数年、思い煩わされる大きな問題である。

 夕方、この本を読んでいる最中、先日ハローワークでたまたま会ったK君からメールが入った。
「4月からメディアファクトリーで仕事することになりました!」――彼は、上記の本の著者と同じ大学出身で、同じく自分の欲望に正直なタイプだ。きっと楽しい仕事ができるだろう! 彼のいとこは、脱OLして5年かけて司法試験に合格したそうだ。私も是非あやかりたいものである。
 今日から一泊二日で鬼怒川温泉旅行。だんだんと家族旅行もままならなくなってくるのだろうから、大いに楽しんで来たいと思う。

「試験当日まで、残り27日」

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