コカ・コーラのブランド力
先日、知財高裁が“飲み物容器”として初めて、立体物の商標を認めた。コカ・コーラの瓶の形状を商標として認めたのだ。コカ・コーラは、知財の世界ではこれ以前にも伝説を持っている。コカ・コーラの原液の作成法は長らく営業秘密として公開されておらず、関係者以外は今も再現することができないという。これは、独自技術を特許や実用新案として登録せずに成功している例としてよく語られることだ。今回の立体商標登録で、また一つ、知財世界での伝説を追加したコカ・コーラ。一市民としても、このブランド力は強力なものとして納得できる。アメリカ的な自由な雰囲気、青春の味、赤、ハイな感覚、何より、缶で飲むよりも瓶をラッパ飲みする方がずっとカッコいいイメージなのは、コカ・コーラの独特の瓶のせいかもしれない。
個人的には、コロナ・ビールにライムを突っ込んでラッパ飲みするのもカッコいいと思うが、コロナ・ビールの瓶の形状は残念ながらクアーズとかピエトラも同じようなものなので、きっと立体商標としては認められないのだろう。サントリーの「角瓶」とかヤクルトの容器も認められていないとのことで、なかなか厳しい裁定状況のようだ。まぁ、グラスとか瓶のような一般的な入れ物に商標を認めていたら、後続業者にとってはやりにくいことこの上ない。
この“コンツアーボトル”と呼ばれる瓶は、1916年に「暗闇で触ったときにもそれがコカ・コーラのボトルとわかるもの」という条件のもとで産み出されたというから驚きだ。まだ、ユニバーサルデザインなんて概念もない二十世紀の頭の頃に、こういうコンセプトでデザインを考えていたということ自体、評価されてしかるべきだと思う。
今回の裁定は、独自性よりも“継続は力”的なニュアンスだが、コロコロとロゴや屋号を変える時代性に一矢報いた感じで、私はとても好感をもった。
「成績照会公開日まで、あと17日」
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