リーマン・ブラザーズ破産法適用
1997年に自主廃業し2005年に解散となった山一證券株式会社の記憶が薄れ始めた今日この頃だが、2008年9月15日には、サブプライム問題から派生した金融恐慌により、アメリカの巨大証券会社が破産に追い込まれた。金融や証券の仕組みが、私にはほとんどよくわからないが、他の業態と同様、金融界も業界再編の波に洗われ、どんどん一部企業が巨大化し、その他の企業を飲み込んでいる。
小さく分散して個々がローカルに活動する世界なら、一部の悪影響が伝播する範囲も限定されるのだろうけれど、これだけグローバル化した世界だと、どこぞの見知らぬ無責任人間が起こす不祥事が、みるみるうちに全世界に広がってしまう上、結局の原因は何?ということまで特定しづらくなってしまう。しかも、ローカルなら徹底的なみそぎもやりやすいけれど、グローバルな中では、糾弾の矛先は逆に分散してしまい、自分が当事者であることすら意識しづらくなってしまう。ほんの半世紀弱しか世の中を見ていない私だが、現世の怪しい不穏さと不安は、いまだかつて体験したことがない。宮澤賢治は「世界全体が幸福にならない限り個人の幸福は望めない」と言ったが、私の見る現世はどちらかというと、不幸を一部の人に押し付けるか、未来へ先送りすることで、なんとか成り立っている虚構のようだ。よいものを蓄積していくというよりは、消費・消費・消費……。消費を続けないと経済が回らず、全員が総倒れしてしまいそうな不安。慈しみ育てるという生物の基本に背く、画一的法制度の下で蠢く冷徹で容赦のない市場原理。
いやはや、自分の身にストレートに降りかかった事件ではないけれど、ニュースを聞くたびにブルーになる。明るいニュースが聴きたいよぉ~。
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