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2008年9月19日 (金)

夫子の道は忠恕のみ

 新聞を読んでいたら出てきた言葉“忠恕”(ちゅうじょ)。『論語』に「夫子の道は忠恕のみ」とあるそうで、曾子が他の門弟に、孔子先生の一貫した道とは何か、と問われて答えた言葉だそうだ。「治国の根本は忠恕の心である」とも取られ、忠恕=真心・思いやりの心だと辞書にもある。
 自民党総裁選の5人の候補について、あれこれ取り沙汰され品定めされているけれど、正直言って誰を信頼していいのかわからない。彼らのすべての言動を正確に見聞きしているわけでもないから無責任なことも言えないが、国を憂うというよりは、目の前の政局だけしか気になっていないように見えてしまう。800兆円という財政赤字一つとっても、もっともっと国を憂い将来を憂いてしかるべきなのに、皆一様に能天気な気がしてしまう。私が悲観的すぎるのだろうか? しかも、これだけ悲惨な政治状況を本気で改革するつもりなら、逆にそう易々とは立候補などできないのでは、と思うのに、候補は乱立し、“誰がやってもこの程度”という雰囲気が蔓延している。政治・経済を熟知し、なおかつ忠恕の心をもって市民生活に配慮できるヒーローは現れないものだろうか?
 今私が切に願うのは、“心を律する”政治家の出現かもしれない。ふわふわして地に足のつかない華奢でナイーブな現代人の心を一喝してくれるような人。細々した政策やらマニフェストやらよりも、“目の前のことをしっかりやろう!”という気概を国中に浸透させる方がよほど効果的な気がする。

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