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2008年10月23日 (木)

Oさんの愛犬のこと

 いつも生協の荷物を配送してくれるOさんという気のいいお兄さんがいる。先日もいつものように昼過ぎにチャイムを鳴らし、荷物を届けてくれた。でも、なんだか元気がない。「ちょっと悲しいことがあって……」――ドライアイスを発泡スチロールの箱から取り出しながら、訥々と話し始めたOさん。なんでも、自分が中学生のときから家族同様に暮らしてきた愛犬ビーグル君が、先週末亡くなったのだとか。肝機能障害で、あっという間だったとのこと。人気の犬種なので、道を歩いているとよく同じ顔に出くわすから、いつまでも気が滅入ったままなのだそう。毎度「ちわ~っす、今日も暑いですねぇ~」とかなんとか、能天気な挨拶ばかり交わしていたのに、いつになく気弱な表情を見せられて、なんといってなぐさめていいかもわからない。あんまりボーッとしているから「配送中は、運転、気をつけてね」なんて間の抜けたことを言ってしまった。
 生き物を飼うと、この“別れ”があるのが辛い。いつかは来る日だとはわかっていても、受け入れるのは大変だ。「来週はもっと元気になってきます」と力なく笑っていたOさん、弟分を失くしてガックリきた肩が、いいお天気なのに寂しそうだったな。

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