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2008年11月 1日 (土)

『言葉を育てる』

Yonehara20081031  本屋をブラブラしていてふと手にとった今は亡き米原万里さんの対談集『言葉を育てる』を一気読みした。いつから彼女のファンになったかは覚えていない。傍若無人、抱腹絶倒、八面六臂、博覧強記、それでいてとても生真面目。文章でしか触れたことのない人なのに、不埒なことをしたり考えたりすると、万里さんに一喝されそうな気がしている。
 本書は、小森陽一氏、林真理子氏、児玉清氏、西木正明氏、神津十月氏、養老孟司氏、多田富雄氏、辻本清美氏、星野博美氏、田丸公美子氏、糸井重里氏との各種媒体での対談を一冊にまとめたもの。あちこちからの再録のため、繰り返しも多いけれど、面白く読んだ。「樵(きこり)のような男が好き」と書いてあったけれど、具体的にどんなタイプかがいまひとつわからない。万里さんのお父様がどんな方だったのかに興味津々だ。
 亡くなってからもこの勢いで本が出続けるというのはスゴイことだが、それだけ彼女のエネルギーが半端でなかったということだろう。巻末の「素顔の万里さん」では涙がこぼれたが、本文中では笑ったり吹き出したり神妙になったり怒ったり驚いたり……何より「日本の教育はこのままじゃあかん!」と思わされた。『言葉を育てる』というタイトルだったけれど、私の中では『インタープリッタはタタカッタ』ってなイメージだったな。どなたか知己のある方による『万里の武勇伝』に期待したい!

Ginger20081030  万里さんのボルシチは相当おいしかったらしいが、私は料理はからっきし。それでも最近は時間があるせいか、夫にも息子にも「ママ、料理うまくなったんじゃない?」とか言われる。(そりゃ~、心の余裕と時間があれば誰だってこれくらいはできるんだい!)――ということで、本書を読みながら、友人に教わった生姜の佃煮をグツグツ煮ていた。なんのことはない、薄切り生姜をしょうゆと砂糖で煮込み、鰹節とむきゴマとプルーンで和えるだけ。カンタンだけれど身体がものすごく喜ぶ一品。
 この連休は、中学の文化祭を一つ見学した後、実家で過ごす予定。事故ったプラドは修理完了したが、下取りに出すことにしたらしく、この連休が乗り収めとなるらしい。

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