『戸塚教授の「科学入門」――E=mc^2は美しい!』
2008年のノーベル賞授賞式が行われた10日翌日、『戸塚教授の「科学入門」』を読了。小柴先生のお弟子さんであり、小柴→小林・益川というノーベル賞受賞の流れの本流にいた人だと思う。
私がおもしろく読んだのは、巻頭の「最後のインタビュー」と、巻末の「宇宙と素粒子」。恐れながら、肝心要の、戸塚先生がブログで書き溜めた「科学入門」は、“おもしろい”というよりも、「科学者って世界をここまで系統的・数量的に見ているものかなぁ」という印象の、“戸塚教授の世界観”のようなものだった。
それにしても、19世紀末から20世紀というのが本当に科学にとって華やかな時代だったこと、今後に残された課題というのはどれもあまりに壮大希有だということ、そんなことを実感させられた。また、宇宙の星々やら地上の生物やらという“物質”は、もしかしたら、宇宙膨張の過程で消滅すべきところでのCP対称性の破れによる“残りカス”みたいなものなのか??とも思えた。戸塚先生の残された言葉に感化されて、若い人がたくさん、この流れに乗り込んできてくれるといいなぁ。
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