菌類のふしぎ展
土曜の朝、知り合いの翻訳家の方から大量の新鮮卵が届いた。時折差し入れしてくださるのだが、その名も“元気なたまご”。本当に黄身がまっ黄黄で大きいのだ。息子がその一つを手に取って「あっ、高級卵だ!!」と興味を示していた。
病み上がりの息子の顔色を伺いつつ、この週末は静かにしていようと思ったのだが、息子の方から「上野の“菌展”に行かない?」と言い出したため、天気もいいし、意外に戸外が暖かだったので出かけてみることにした。
上野の森は、銀杏の見事な黄葉は素晴らしかったが、反面強烈なギンナン臭さ! ギンナン拾いをする人を横目に急ぎ科学博物館へ。今回の“菌展”は「もやしもん」のキャラクターを楽しく使った目新しい構成で、展示すべてがダンボールを基調に作られており、手の込んだ素敵な出来映え! 会場のそこここには「もやしもん」原作者の石川雅之氏が手描きした菌キャラの落書きがあり、多くの来場者がその落書きをカメラに収めていた。
通常はロボットとか機械類の展示の方に関心の高い息子だが、白神山地でたくさんのキノコを見たのと、「勇者のくせになまいきだ」というPSPゲームの中に登場した“粘菌”を面白がっていたために、今回の“菌展”にもいつにない興味を示したのだった。入り口でいつものようにガイド機を\500で借り、案内のナレーションを聞きながら回った。たくさんのキノコの展示や、匂いや感触の体験コーナー、光るキノコの不思議、菌学者の部屋、もやしもん劇場など、2時間ほどもかけてゆっくり観た。私は、南方熊楠の丁寧で細かな直筆メモが見られてハッピー! 息子は、動物でも植物でもない不可思議な生態の菌類にいろいろ触れて、“真核生物”と“原核生物”という言葉を使い分けられるようになった。「ミトコンドリアとか葉緑体とかって、もともとは一つの生物だったんだって!」と大騒ぎしていた。最後の方で“まつたけ”の匂いを思い切り嗅いで気持ち悪くなってしまい、ほうほうの体で飛び出した。「どうして発酵の匂いって臭いんだろー?」というのが今日の感想だそうだ
。
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コメント
なるほど、おっしゃる通りですね。納豆とかブルーチーズとか、最初に食べた人は偉い(というか、冒険家!)! 菌展はなかなか気合入ってました。ちょっとオブジェ展的な雰囲気もあって、観客層も科学好きにとどまらず、コミックス読者とか芸術系の人も多かったみたいです。
投稿: Taraco | 2008年12月 8日 (月) 08時14分
菌展、面白そうですね!
息子さんに教えて上げてください。
「どうして発酵の匂いって臭いんだろー?」
腐った物を間違えて食べない様に、人類は発酵臭を学習した。或いは「臭い」と感じなかった人々は腐った物を食べてお腹を壊し、淘汰された、って!
投稿: Y.Mita | 2008年12月 7日 (日) 19時02分