うごくメモ帳
いつのまにやら息子にDS-i をせしめられ、親としての不甲斐なさを味わいつつ、それでも新しモノ好きの私が感動した一品―――それが「うごくメモ帳」。『ウェブ進化論』の梅田望夫さんも一押しの会社HatenaによるDSフリーソフトだ。
アニメ大好き人間の名に恥じぬよう…というわけでもないが、過去にAdobe AfterEffectsやRetas!Proといったアニメ制作ソフトのマニュアルを作ったり、LightWaveやanimaniumというソフトの本を作らせてもらおうと画策したりした。先の2本は日本のアニメ制作現場で普通に使われているソフトだが、高価で使い方も難しい。もちろん多機能プロ仕様だから、いくらアニメ好きでもこれらを使ってすぐに素人がアニメを作れるわけではない。一方の「うごくメモ帳」は、“無料配信”である。「パラパラ漫画が簡単に作れる」というふれこみではあったけれど、大した期待もなく息子の手元を覗いていた……が、が、が、ビックリ仰天!! これが“無料”?? 私は瞬時に、動画投稿サイト華やかなりし昨今の趨勢に、ますます拍車をかけるキラーソフトとして認識した。
YouTubeを閲覧する小学生は今や山のようにいるけれど、まだまだ自身で投稿できる小学生はいない。ところが、「うごメモ」を使えば、超ド級素人の小学生でさえ簡単におもしろアニメが作れてしまうのだ! とはいえ、ある程度の根気強さは必要で、息子の友達の中には、1枚1枚絵を描く作業にシビレを切らして、早々に退散する子もいたにはいた。それでも、写真を撮り込んだりすれば多少は省力化できる。小学校のPCでパラパラ漫画を作り慣れている息子は、サクサクと丸チョンの棒人間で数作品を作り、音声まで同期させて仕上げた上、友達と交換したりしていた。既製のゲームに比べてはるかに独創性が要される割りに簡単でおもしろい! こりゃ~いいわ~と私も一作品作らせてもらった。ついついハマル楽しいソフトだった。
「うごメモ」のデザインワークはどことなく教育TVの「ピタゴラスイッチ」風で、発想の仕方も佐藤雅彦さんに近いものを感じたのは私だけだろうか? とにかくあったかい雰囲気でフレンドリーで、アソビ心満載。徹頭徹尾“手軽さ”にこだわっている。やるなぁ~任天堂&Hatenaさん。学生時代、ノートの端っこにパラパラ漫画を描いていた人には、是非ともお試しいただきたい一品です。(もちろん、企画系のプレゼン資料として使ったりしたら、抜群のインパクトだと思いますよ~!) あと、ついでに書いておくと、株式会社アガツマという所から「アニメスタジオ」というオモチャも出ているらしい。こちらは人づて情報なので私は試していないけれど、フィギュア等の人形を使ってクレイアニメ風のものが作れるらしい。スピルバーグとコラボしたアメリカ製の映画自主制作ソフトはどっかで見たことがあるような気がするが、日本人って、ホントにアニメ好きなんだなぁ~とつくづく実感する「うごメモ」と「アニスタ」事件でありました。
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