穴があったら入りたい!
何をやらかしたんだ?!という感じのタイトルだが、商標法の講義を聴いていて、愕然としたのでメモしておこう。
今を遡ること二十数年前、学生時代に“工業所有権”に興味をもった私は、サクッと“特許管理士”なる民間資格を取った。豊沢豊雄さんという、発明関連の著書をたくさん上梓している人がどこかで推奨していた資格だったからだ。合格証書らしきものが送付されてきたが、拍子抜けするような手書きの手紙状のもので、「なんじゃこりゃ?」という思いはあったものの、超お手軽資格だから仕方ないのか、と達観しつつ後生大事に取っておいた。それだけならまだしも、一時期は履歴書の取得資格欄に記入したりもしていたのだ
ところが、つい先日の商標法第4条1項7号の講義の際、師匠はこう説明した。
「これは伝家の宝刀的法文でね、他の各号で不登録事由を形成できないときは、この7号が使えるんだ。以前、弁理士会が“特許管理士”という商標の無効審判を勝ち得たときも、この“公序良俗を害するおそれがある商標”というくくりで闘ったんだ」
―――はぁ~? 師の解説によれば“特許管理士”とは、株式会社でもないのに「○×株式会社」と詐称してしまうようなもので、何ら代理業を営む権原はなく、できるとしたら、自身の小発明についての穴だらけの明細書が書ける、というだけのことらしい。そんな怪しげな民間資格商法にまんまと乗っかり、それを露とも知らずにいた自分自身を省みて、本当に穴があったら入りたかった。そして、いまだにこの団体が営々と活動を続けているらしいのであきれてしまった。
しかし、こういう事態を招いていることの一因として、“弁理士”というネーミングのわかりづらさと、弁理士会の自己PRの少なさもあるのではないかと思った。自分の不勉強を棚に上げて言えたものでもないけれど、なんとなく、弁理士という人たちの世間への無頓着さや孤高さを感じてしまった。これからの弁理士業には、コンサルタント的な色合いも求められると思うので、その意味ではもうちょっと“公知化”努力も必要じゃないかなぁ~。私みたいなネギカモをこれ以上増やさないためにも、ネ
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