弁理士の営業活動
先日、夫の勤め先のメールボックスに、「学生向けに“知的財産管理技能検定”向けの講義、請けます」という内容のメールが個人弁理士から寄せられたと聞いた。また、息子の小学校から配布された“夏季科学教室のお知らせ”のカリキュラムの一つに「出張! IPカルチャー教室 ~親子で学ぼう知的財産~」というのがあるのを発見。講師は、日本弁理士会関東支部の方と、国際知的財産保護フォーラム第4プロジェクトの方とのこと。
どちらも、今まであまり見かけなかった地道な営業活動に見え、「弁理士、増えすぎちゃって大変なのかな?」と余計な詮索をしたり、「これぞ知財立国を目指す国策の夜明けかな?」などと楽観視したり、両極端の想像をして笑った。
以前は、“弁理士”って名前がわかりにくくマイナーだし、全然知名度を上げる努力が見えない!と素人的に思っていた。が、あとで辞書を引いたところ、「弁」という字は「わきまえる」と読むそうで、“弁理士”とは「理を弁ずる人」というよりは「理をわきまえる人」と解釈する方が自然だしカッコいい!と見直した私だ。ただの理屈っぽいオヤジ像が一転、知性的で奥ゆかしい紳士像に早変わりしてアラ不思議! そして、この先なれるのかどうかはお構いなしに、知名度を上げるべく、周囲の人にふれ回ってもいる。たいていの場合「便利屋さん?」と訊かれるのがオチなのだが、まぁある意味「よろず便利屋さん」という形容も間違ってはいない気もして、断固否定できないのが辛いところ。
これは私の勝手な思い込みなのだけれど、編集者と弁理士って、ちょっと似ている気がする。どちらも縁の下の力持ちで「他人のフンドシを磨き上げて世に送り出す」という黒子的な色あいがあるのだ。良質な発明が数多くうまれるよう、今から、若者という未来の発明家育成に力を注ぐのは、確かに立派な営業活動だと思うけれど、上記2つの地道な営業活動は、それとはちょっと違うかな? はて、効果はいかに?!
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