「東のエデン」PD手記
先週、丸善の中をウロウロしていたらジブリの『熱風』を見かけ、いただいてきた。“農業”の特集も興味深かったのだが、真っ先に読んだのは、深夜アニメとして人気を博した「東のエデン」のプロデューサー石井朋彦氏の寄稿文。
「東のエデン」は、ここ数ヶ月ずっと気になる存在だったにもかかわらず、まだ見ていない作品。ストーリーだけはネットでそれとなく追いながらも、なかなか観る勇気ときっかけがなく、そのままになっている。神山健治監督だし、IGだし、撮影監督さんは私の大好きな人だしで、観ない手はないのだが、主人公にちょっと特別な思いがあって、決められずにいる―――(意味深)。今冬には劇場版もあるとのことで、そのときには間違いなく行くと思うのだけれど。。。
石井氏の文章は、本作に突っ込むというより、本作に込めたPDと監督の思いや、それを取り巻く時代背景についてのものだった。大雑把に言ってしまうと、クリエイターと消費者の境界があやふやになりつつある第三次モノ作り時代についての話。そして暗喩的に、社会システムを作る人は同時にその消費者でもある…ということを考えさせられる内容だった。若者はいつでも、前時代の人が作り上げたシステムにただ放り込まれるだけの消費者だが、いずれはシステムをリストラしていく立場にもなり得る存在だということ。劇場版が、主人公にとっても多くの若者にとってもハッピーエンド(あるいはそれを予感させるもの)であることを願いつつ、しんみりと拝読した。
また、ニック・パークさんによる「ウォレスとグルミット」の最新短編“ベーカリー街の悪夢”の記事も載っており、こちらも是非観てみたいと思った。英語の「Make Bread(パンをつくる)」には「Make Money(お金をかせぐ)」という意味もあるそうで、そんな捉え方の違いによるドタバタ喜劇らしく、楽しみ楽しみ!
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