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2009年8月10日 (月)

入門講座2周目「著作権」修了

 124条もある「著作権」だが、1回の講義と1回の演習で終了。編集実務で意識的・無意識的に触れていた世界だが、微妙なケースが多くて難しい。2周目の記録としては、ポニョのDVD特別版 発売延期の話題と、私的録音録画補償金制度についてメモしておこう。
 ポニョDVDの延期については、以前本ブログでも触れた、NHKが宮崎監督の仕事ぶりを紹介した番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」に端を発しているらしい。同番組の未放送部分までをDVDに収録するに際し、著作権処理に不手際があったようだ。監督が仕事しながら聴いていたCDの楽曲について、使用許諾を受けていなかったとか。このニュースを気にかけながら今回の2周目を勉強していたため、著作隣接権の章で、放送事業者の持つ複製権と、レコード製作者の持つ複製権とが、入れ子構造を成さざるをえない点が気にかかった。そもそも放送事業者が、電波に乗せる全コンテンツに関して確実な著作権処理を施しているのかどうかも疑問なのだけれど、入れ子的な権利構造の成果物に関しては、どこに責任の所在があると考えるべきかも、初期の取り決めが非常に重要だと感じた。
 また、DVD-R等に事前に補償金が上乗せされる私的録音録画補償金制度や、JASRACの一括契約など、一件一件の処理では煩雑すぎるような、どうしてもどんぶり勘定にならざるをえないケースに関し、原権利者への報酬配分の不透明性も気になる。さらに、単なる個人データの記録媒体として使った場合でも補償金を取られるというのも、腑に落ちない。2005年に初めて、家族の姿を録画したという人がDVD-R4枚分の補償金返還を請求したそうだが、「80円切手で請求書を送り、返還金は銀行振込の8円であった」とWikipediaにあった。これぞ骨折り損のくたびれ儲け。
 こうした事件を垣間見るだけでも、著作権処理の煩雑さと難しさは歴然だ。知的財産権の中で、今もっとも議論沸騰の権利かもしれない。
 ともあれ、これにて2周目の入門講座も修了! 我が家の夏休み前までになんとかケリがついた。今週はゆっくり羽を伸ばし、来週からしばらくは、条文の素読みと「論文基礎力完成講座」の受講予定。まだまだ「論文基礎力」なんてレベルじゃないのだが、師匠の講義は楽しみ楽しみ。

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