「ダイ・ハード4.0」
「楽しみ!」と一行日記に書いて旅立った息子を見送ったが、よく見たらその後ろに「でもちょっぴり不安」と書き足されていた。それを見たら、逆にこちらは安心した。不安なくらいがちょうどいい。。。
……そんなわけで木曜は、数ヶ月前からSOSを出していた実家へ、PCメンテナンスに出掛けた。アンチウイルスは更新されず、重い写真データもたんまり貯め込まれ、プリンタへの無線も不調のまま放置され……両親の努力の痕跡は見られたが、それ以上にフラストレーションが溜まっていたらしい。何でも大切に使って長持ちさせる両親だが、ソフトウェアばっかりは、大事に使っても長持ちするものでもない。「最近はね、頭のいい人につくづく嫌気がさしちゃって…」という母のつぶやきには、否応なくソフトの寿命のコントロールを明け渡さざるを得ない状況への腹立たしさが滲んでいた。
その夜、夫がBlueLayの「ダイ・ハード4」を借りてきた。ちょっと古めだが、久々に観たジョン・マクレーンは見事なツルツル! サイバーテロを題材にしているものの、アドレナリン噴出度は相変わらず。クライマックスの大型トレーラーとF-35戦闘機の対決シーンなどは“ありえな~い!”不死身男ぶりだったが、個人的には、そこここに登場するハッカーたちの腕前の方に舌を巻いた。その中で、午前中の母の言葉とシンクロしたのが、FBI副局長ボウマンの言葉。「あんたら天才は出てってくれ」―――秘密裏にNSAが設置していた金融関係のバックアップシステム管理者たちを揶揄したセリフだ。自分の知らないところで重要なコントロールが作り出され、それを手中に収めている高給取りのお偉方が、現実的なトラブルへの対処においてはまるきりの役立たずでいる事態に向けられた言葉だ。母の苦言とはレベルが違うが、“勝手なコントロールを無断で作り出してくれるなよ”という嘆き節に相似感があった。
つい先日も、韓国などでサイバーテロと思しき事件が起こって騒ぎになったけれど、今や情報システムは、日常生活を攪乱する格好の標的であることは間違いない。峰不二子のごとく「私は現金しか信じないの」と居直っていたいものの、どっぷりとネットワークに依存した日々の暮らしを振り返ると、空恐ろしいものがある。安心しきって暮らすよりは、不安なくらいがちょうどいいのか……???
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