十干(じっかん)の読み方と新 gTLDs
論文の答練問題が徐々にややこしくなり、通常の甲乙の二者間問題から次第に関係者も増えてきた。先日の問題など、甲・乙・丙・丁・戊まで出てきて、最初は「戊」の読み方すらわからない有り様。これは古代中国で十二支と合わせて暦の表示などに使われた「十干(じっかん)」というものだそうで、
甲 ・乙 ・丙 ・丁 ・戊・己・庚 ・辛 ・壬 ・癸
こう・おつ・へい・てい・ぼ・き・こう・しん・じん・き
と読むそうだ。十二支と十干を合わせて「干支(かんし 又は えと)」というわけだ。どうして、契約書等の法的議論の際にこの十干が使われるようになったのかは知らないが、読みづらいことこの上ない。
仮名のほか、ものの階級・等級や種類にも使われるし、昔は学校の成績も甲乙丙丁だったんだっけ。。。なんだか日本史の遣隋使・遣唐使の時代に溯り、大宝律令の名残りを勉強させられている気分。それでもまぁ、律令政治ってまさに日本人にとってリーガルマインドの夜明けだったんだろうなぁと想像すると、古代中国人の合理性に頭が下がるとともに、現代中国の知的財産権法は一体どうしちゃったんだろう?という複雑な気分。
一方、昨日のニュースの中に“ブライツコンサルティング、「.yahoo」「.ibm」「.deloitte」などの新 gTLDs 申請予定文字列を一部発表”というのがあった。従来の「.jp」「.com」などのTLD(TopLevelDomain)に加え、2010年中の一定期間、新たなドメイン名を申請できるらしい。ブライツコンサルティングというのは、商標やドメインネームの取得/管理を行う ICANN 公認レジストラとのこと。企業名の「.yahoo」「.ibm」などはともかく、コミュニティ向けの「.eco」とか「.green」なんていうのも申請が予定されているというが、審査はしないのだろうか?
甲乙丙丁もわかりにくいが、早い者勝ちのドメイン獲得も、度を超すとユーザーを混乱させてしまう。かといって審査するにしても公平を期すのも難しそうだ。ここで一句。「アイデンティティ なさすぎるのもありすぎるのも 困りモノ」
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