『こども論語塾』
数日前の夕刊に、安岡定子さんの「文の京 こども論語塾」というのが盛況で、本も出ていると書かれていた。木曜の午後、久しぶりにOAZOの丸善をブラブラしたので、試しに買ってみた。幼稚園や保育園児向けで、絵本以上に大きな字の本だったが、慣れない人が素読するには丁度よいようだ。
著名な二十章が収録されており、この年になって読んでみても、なかなか胸に迫るものがある。人間って、孔子の頃から精神的には全然進歩してないような…という気にさえなる。
孔子様からは、是非「仁」や「恕」(思いやりの心)を学んで欲しい息子に、早速見せてみた。どのへんに食いつくかなぁ…と興味深く待っていたら、
「あのさぁ、どうして孔子のセリフだけ“のたまわく”で、他の人は“いわく”なの? これって差別じゃない?」ときた!!! ぎょえぇ~予想外の反応。
「そりゃぁ孔子に敬意を表してそう読み下してるんだよ~。“おっしゃった”ってこと」と言ってはみたが自信がない。――― 中国では、親族の上下関係にものすごく厳しく、親族呼称もバラエティに富んでおり、年配の人を非常に敬うとは聞いているけれど、言語的な尊敬語みたいのはないんだっけ…?――― まさか息子に論語を読ませて、尊敬語について考えさせられるとは思ってもいなかった(汗)。
「“子曰”のとこはいいからさ、中身読んでよ、中身」と言ってお茶を濁す。
まぁ、尊敬語やら謙譲語やらの充実している日本語だけれど、心がこもっていなければ「巧言令色、鮮矣仁」(こうげんれいしょく、すくなしじん)かもね~。
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