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2009年11月19日 (木)

侃々諤々 事業仕分け

 民主党政権が前自民党政権の膿出し的様相で公開で始めた“事業仕分け”が熱い! 周囲でも賛否両論が飛び交い、個々の事案についても評価が分かれているようだ。
 「法的拘束力がない」「抽出ではなく全件にすべき」「財務省主導になりすぎ」など問題点もあるらしいが、個人的には、フツーの人がここまで税金の使い道について考える機会を与えたことはとても評価できると思う。
 まず戒めるべき“天下り”に関する洗い出しを徹底して欲しい。そもそも、フツーの会社なら、たとえ同期が上司になっても、部下として立派に勤めを果たすのが常識だし、それに甘んじられなければ、転職するなり何なり、自分の道は自分で切り拓くものだと思うのだが、こと官僚は、同期に次官の座を奪われたら、もう一緒にはやっていけないものなんだろうか? 人事もそれを配慮して異動先を確保するとは、ちょっとプライドが高すぎるのか、長年の慣習なんだか知らないが、仕事をナメてるような気がしないでもない。
 周囲に科学技術分野の人が多いせいか、“次世代スパコン見送り”についての話が耳につく。以下はまったくの私見で、信憑性のないことだけれど、文科省が広く意見募集も始めたようだし、学者内では署名活動まで始まっているみたいなので、問題意識の上で個人的意見を書いておきたい。
 最も気になるのは、一時は世界一にもなった“地球シミュレータ”の総括はきちんとされていたのか?ということ。開発費もランニングコストもバカにならないスパコンだが、単純計算をいくら高速で行えてもあまり有用性はない。要は、どんな計算をさせるかだと思う。IPCCの気候変動予測計算に大きな貢献をしたと聴くが、実際には性能の何分の一も使えていなかったとも聞く。フルに使えていなかったとしたら、それこそ地球に優しくないことこの上ない電力喰いだと思う。“世界一”を目指すのは大事なことだと思うけれど、それを使いこなせないのでは宝の持ち腐れになってしまう。その辺の検証抜きには、スパコンの価値は測れないのではないかと思う。
 次に気になるのは、NECと日立が抜けて富士通一社になってしまった時点で、どういう見直しがされたのか?ということ。莫大な税金を投じて行うプロジェクトを、一社に任せるという図は健全なんだろうか?
 優秀な若手の研究者も、このプロジェクトを当て込んで確保されていたのだろうが、もしも見送りになってしまった場合、そういう人的資源の再配置は恙無く行えるのだろうか? ―――推進に、諸手を挙げて賛同もできないが、見送ることで混乱をきたすことも容易に想像され、“引くも無駄、引かぬも無駄”な感じがしてしまう。まぁ、開発体制が複数社になり、3年先くらいまで研究利用計画が引きもきらないような感じになるのなら、私は進めてもいいとは思うけれど……皆さんは、いかが思われますか?

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