『人生 一般 ニ 相対論』
政府が「幸福度」をはかる“ものさし”を新たにどうこうするとかいうのを聴き、アホらしさを感じつつ、こちらは勝手に『人生 一般 ニ 相対論』を読んだ。宇宙物理学の先生のエッセイ集だ。本屋大賞受賞の『天地明察』とどっちを先に読もうかと迷った末、字の大きい方から先に読むことにした次第。
何事につけても面白おかしく考察する須藤先生の“おやじギャグ”的エッセイは、クスリクスリと人を笑わせつつ、読み終わると(まぁ何事も相対的よのぅ…)と深く息をついてしまうような、そんな一冊。装丁の裏表紙に、こんな式が書いてある。
1 d 人生
幸せ = ―― ―――
人生 dτ
「幸福度」の数値化を試みるなら、このくらいシンプルかつザックリしているべきものと思う。人生長くやっていると、辛いことや苦しいこともたくさんあるけれど、逆に長く生きることでわかる幸せもまた多くある…という感じ。
しかし、ご本人が名付けておられるとおりの“注文(ちゅうぶん)の多い雑文”、読みにくいことは確かかも。半分くらいはダークマター化させても、先生のユーモアが読者に伝わらないということはないと思われた。
しばし先生のツッコミ視点に立ち、幸せ気分に浸ったのは、私だけではあるまい。。。
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