発明家マインドとマネジメント
メキシコ湾の原油流出事故の経緯が気になっているが、先日のニュースで「ケビン・コスナー氏の会社の原油分離装置を、BPが発注した」という記事を見た。この原油分離装置は、今回の事件以前の別の原油流出事故を発端に、彼が1992~3年頃に兄弟の協力を得て開発を進めていたのだとか。
最近はほとんど彼の出演する映画を観てないなぁ…と思いつつ、なんだかなつかしく彼の顔を思い出した。実は私、すごく間近で彼を見たことがあるのだ。
あれはもう14~5年前くらいだろうか。当時私が勤めていた会社に、彼がひょっこり現れたのだった。会社の社長と彼が友人だったのだ。その社長、私が尊敬する人の一人だが、朝から晩まで“これからの世の中には何が必要か”を考えてばかりいるような人だった(と勝手に思っている)。当時は、そんな社長と俳優のケビン・コスナー氏が友人だという事実に、なんだか違和感を抱き不思議だったのだが、なるほどなぁ…と今回のニュースで納得した。二人は同じマインドを持った人達だったのかもしれない。それは“発明家マインド”とも言えるし、“必要なら的確にすぐ動く”という“マネージャーマインド”とも言える。二人とも私にとっては雲の上の存在だけれど、同じマインドを持った人たちのこういうネットワークを想像すると、楽しくなる。
一方で、日立製作所の元社員による発明の対価に関するニュースもあった。このたびの東京地裁の判断は、“元社員の貢献度は4%”ということだったらしいが、青色発光ダイオード事件と同じく、退社後のこういう訴訟はなんだか、傍で聞いている方も不愉快になる。いや、私自身、発明の対価は当然あって然るべきだと思うし、概して少なめな気がするのも否めない。けれど中村さんにせよ岡本さんにせよ、会社という後ろ盾なくして無一文の状態から同じ発明ができたのだろうかと考えると、やはり難しかったのではないかと思う。会社が数百人規模なら貢献度は1%以下から始めるべきだし、数千人規模なら0.数%以下から始めるべきではなかろうか。開発とは無関係の社員でも、みんなで会社を回しているんだというマネージャーマインドが欠如しているように感じられてならない。(控訴だ上告だといって時間を費やすより、優秀な人たちには次のクリエイティブな仕事を模索してもらいたいもんだ…と思うのは私だけだろうか?)
かと言って、日産のカルロス・ゴーン氏が8億9000万円の報酬額と聞くと、マネジメントの対価って、そんなに高いのかなぁ…とも思えてしまうわけなんだけど(汗)。
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