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2010年9月13日 (月)

『ひとり遊びのススメ』

 日曜の朝、塾の初めての日曜特訓にお弁当持ちで出かける息子を8時半過ぎに送り出してから、すぐにOAZOの丸善に向かった。先週末から夫は九州へ出張、息子も夜7時前まで帰ってこない……「日のある時間帯すべてが私だけの時間…ひゃっほ~♪アンビリーバボー!」(心の声)
 子どもが中学生になって部活にでも入ったら、毎日がこんな感じかなぁ~?などと甘美な空想に耽りながら、開店直後の書店に足を踏み入れた。休日の朝ということもあって、店内はまだ人影もまばらで、図書館のような静けさ。う~ん、いい感じ。真っ先に自分の買い物を済ませてから、3Fの児童書売り場へ。息子からの頼まれ物を探すためだった。
 どういういきさつかは知らないが、私が書店へ行くという話をしたら、「じゃぁさ、茂木健一郎さんの論説文で、何かおもしろそうなヤツ買ってきて」と依頼された。はぁ~?著者決め打ち?しかも小説じゃなくてエッセイ?おもしろそうなヤツって何?!……難しい注文に頭を抱えつつ書棚を見渡したものの、児童書の棚はほとんどが小説で、それらしき本は見当たらない。仕方なく、文庫と新書の売り場へ移動して片っ端から目録を見て、“茂木健一郎”の著者名で索引検索。在庫のあるものだけパラパラと中身を縦覧するも、小学6年生の男の子が全編おもしろがって読めそうなものが見当たらない。1時間半ばかり7~8冊くらい読み比べてみたけれど、買う決心がつかぬまま(やっぱり自分で選ばせないとダメかな~)と断念して、最後にダメ元でもう一度児童書売り場へ。
20100912  すると、見逃していたのか、一冊だけ茂木さんの本を発見! 講談社の“15歳の寺子屋”シリーズで『ひとり遊びのススメ』という本。帯のキャッチコピーは少々あざとい感じがしたものの、中を読むととてもいい感じ。現代版『学問のススメ』のようでもあり、茂木さんの若き日の自伝でもあり、少年たちへのエールでもあり、学者としての姿勢表明でもあり。息子が個人に関心を持つのは珍しいことなので、この自伝的エッセイはちょうどいいかも!と迷わず購入。せっかくのゆったり日曜日なので、帰り道にあるコーヒーショップで1時間ちょっと休憩がてら私自身でも本書を読んでみた。

 すっかりテレビでもお馴染みだし、著書も山のようにある茂木さんだけれど、本書を読んで初めて、友人のような親近感を持った。学問領域にとらわれず好奇心の赴くまま、少年のような心で人生の“チョウ探し”を続けている茂木さん。私自身も、歳を重ねるごとに、数量化できないものとの相互作用に心を奪われているので、彼の一言一言がスルリスルリと心に沁みた。息子が果たしてどんな感想を持つのかは謎だけれど、なんらかの意味で勇気づけられるんじゃなかろうかと思う。

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