『特許法』改訂
気づかずにいたけれど、先月、中山信弘先生の『工業所有権法<上>特許法』が改訂されていた。今回はシンプルに『特許法』というタイトルで、横書きになっているそうだ。前著はだいぶ以前に、本屋でパラパラと眺めた程度で入手しておらず、そろそろこういう本を読めるようになったかなぁ~とも思うのだけれど、まだ敷居が高い気がしなくもない。
これまたずいぶん遅ればせな情報だけれど、一昨年くらいから、米国の先発明主義を改めて、グローバルスタンダードになりつつある先願主義へ移行しようという動きが、上下院にあるのだとか。私は素人ながら、この噂を耳にしたときは正直ガッカリした(実務に携わっておられる方にとっては大歓迎のことなのだと思うけれど。。)。特許法を勉強しはじめてすぐに感じたことだが、理念的には“先発明主義”の方が理にかなっているように思え、管理上難しそうな本制度を維持しているアメリカという国を単純にスゴイな、と思ったからだ。また、意匠すら特許と同じ土俵で扱っていることも、意匠のなんたるかを含めて、私の中ではアメリカのやり方に軍配が上がっていたものだから尚更だった。国内法をちゃんと理解できたら、いつかは、アメリカがどうやって、こんな手続き的に難しそうなシステムを維持しているのかを知りたいと思っていたのになぁ~。“アイディアをひらめく力”をリスぺクトした法制、個人の能力を尊重した法制だと勝手に思っていたけれど、そういうわけでもないのかしらん??? あるいは、大規模開発が一般的なこのご時世では、もはや個人発明家的な名誉なんてものの存在が稀有なものということかな??? 中山先生の本には、こうした話も載っているんだろうか…?
PS:……と、書いたその日のうちに買ってきました。ずっしりとした重厚な感触が心地いいです。神妙に拝読いたします。
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