医学生理学賞!
月曜の早朝、玄関を開けると、近くの緑道から金木犀のえもいわれぬいい香りが漂ってきて、豊かな気持ちになった。そんな日の朝食時、私は家族に唐突に質問を投げかけた。
「山中さんが医学生理学賞取ると思う人~?」
その唐突さにキョトンとしつつ、夫と息子は「まだちょっと早すぎなんじゃない?」という反応。元気に手を挙げたのは私一人だった。
iPS細胞に関しては、いろんな分野へさまざまな波及効果をもたらしていると思うし、特許審査の見直しとか、サイエンスライターの位置づけとか、直接的には無関係のようなところへも影響を及ぼしていると思う。将来的な研究を考えると、希望の光とともに、混沌の闇のような部分も持つ発見。COP10で生物多様性会議が行われるときに、自由自在にキメラを生み出す可能性さえある研究が進んでいるのが不思議な感じ。
月曜日はそんなわけで、私はなんだかソワソワと、今年のノーベル賞の発表のニュースを気にかけ続けていた。夕方のニュースでもまだ発表になっておらず、夕食の支度などでバタバタして、PCにもテレビにも近づけぬまま……9時過ぎに帰宅した夫の第一声――「山中さんじゃない人だったね」
えーっ!!!?そうなの!??? 急ぎPCで確認すると、体外受精に関する研究をしたイギリスの科学者の写真が…。そうか~、お預けか~。なんだかちょっとガッカリ。山中教授も今日は落ち着かない一日を過ごされたことだろうなぁ…と遠い空の下の教授の背中を想像した。いやなに、まだまだお若いし、今は賞どころじゃなく、研究それ自体の興奮で日夜落ち着かれないのだろうから、またの機会がめぐってくるまで、研究に精を出されることだろう!
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