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2010年11月30日 (火)

「龍馬伝」・完

 「龍馬伝」が終わった…。
 福田靖さん脚本ということで、始まる前から楽しみにしていた本作。かねてからの龍馬人気はあったものの、この作品でそれが決定的になったのは間違いなさそう。見目麗しい福山龍馬と、最期まで泥まみれだった香川弥太郎のコントラストが、当初の予想どおりモーツァルトとサリエリもどきだった。一見、高画質ハイビジョンの流れに逆らうかのような“いぶし銀”のごとき画面構成が心地よく、台詞回しもカメラアングルもものすごく洒落ていた。「どんな人が演出やってるんだろ?」と興味を抱いていたが、やがてそれが、ドラマ「白洲次郎」なども手掛けた大友啓史さんという人だと知る。なるほど、時代の影で活躍した男を見事にヒーローに見せるところなど、テイストが似てる、と納得。
 誤解を恐れずに一つだけ苦言を呈するとしたら、龍馬が「わしゃぁ、なんちゃぁ役人になろうなんぞ、これっぽちも思っとらん」と中岡慎太郎に語った場面。聴いた瞬間、同調すると同時に(そりゃぁちょっと無責任では…)と思った自分もいた。大仕事を終えたら仲間とともに世界へ出て見聞を広めたいという希望はわかるけれど、大政奉還後の体制作りこそが本当の大仕事で、それに関わろうとしないのはあまりにエージェントっぽくてダメなんじゃ?と思った。歳をとると、人生ってもっと泥臭くて地味に大変なもんだと思ってしまう。そういえば、白洲次郎も“5パーセンテージャー”と呼ばれるようなところもあって、エージェントっぽかったな…。まぁ、地味に大変な人生じゃ、ドラマにしづらいだろうから、余計なお世話というところか(苦笑)。もしも龍馬が暗殺されず、その後の人生を生きたとしたら、どんな風に生きたのか…パラレルワールド外伝を想像して楽しむことにしよう。
 登場人物それぞれにいろんな魅力があって、奥行のあるドラマだったな~というのが個人的感想だが、中途半端に見ていた息子は、最終回を見てこう言った。「まぁ、こうやって一人の人を取り上げるとカッコいいのは確かだけど、所詮は歴史の一ページなんだよね」……うっ、冷めすぎだろ、それは……。確かに、最終回の暗殺による死は、なんだかあまりにもあっけなく、人の死の唐突さが身につまされた。でも、唐突で不完全だからこそ、後世の人の解釈次第で、ここまでドラマチックにもなるんだな~。とにもかくにも、見事完結した「龍馬伝」に拍手喝采を送って終わりにしよう。

 死といえば、ここ数年、アニメ界の重鎮の訃報が相次いでいる気がする。この週末にいただいたご一報には言葉がなかった。宮崎駿さんのお弟子さんで、「ガンダム08小隊」などの監督として有名な飯田馬之助氏が26日に肺がんで亡くなったそうだ(享年49歳)。そう多くの接点があったわけではないのだけれど、いろいろ貴重な経験をさせていただくきっかけを作ってくださった方として、私の中ではとても大きな存在。もっともっとたくさんの作品を作っていただきたかったのに……(涙)。陰ながらご冥福をお祈りいたします…。

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コメント

太郎さま、コメントありがとうございます。
「実史の出来事がたまらない」というのは、ドラマとして脚色されたり挿入された物語より、実史として間違いなくあった出来事こそが良かった…ということだと拝察します。私は歴史についてあまり知識がなく、どこまでがフィクションでどこまでが史実か、正直よくわかっておりません。史実に詳しい方がこのドラマを見たら、また別の、様々な感想をもたれていらっしゃるのでしょうね。。。

投稿: Taraco | 2010年12月 5日 (日) 06時41分

実史の出来事がたまりません。
今の身近な周りの人たちの考えも、同じと思います

投稿: 太郎 | 2010年12月 4日 (土) 23時44分

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