論文の著作権と電子出版考…
街路樹のグラデーションが美しい季節だが、家族揃ってなんだか心に余裕がなく、紅葉狩りなんて夢のまた夢。近頃やたらと忙しい夫も、自分の論文を書いたり、人の論文のレフェリーをしたりと、輪をかけて忙しそう。「まぁ面白いからいいんだけどさ…」と言いつつも、そこはかとなく愚痴っぽさを漂わせながら、最近の論文事情について話していた。
出版不況と同様、論文データベースの定期購読契約を取るのが年々難しくなる…という話を、もう数年前に外資系出版社の友人から聞いたけれど、その傾向は続いているらしく、最近では、投稿者に課金して購読者にはオープンアクセスにするという手法も多く取られているのだとか。。。なんだか、書籍でいうところの、自費出版と商業出版みたいな感じだなーと思ったが、そうでもないらしい。オープンアクセス化することに意味のある論文と、有料で関係者だけに読んでもらうべき論文、というのが、研究の種類や規模によってわかれるようなのだ。質の高い書籍でも、著者の意向によってはクリエイティブ・コモンズのように、全文Web掲載してしまうようなケースも見受けられるが、引用してもらってナンボの論文の著作権って、なんだか独特だな…と思った。学術論文はおそらく、投稿した時点で著作権は投稿先に譲渡してしまうような形式になっているのかもしれないけれど、昔は投稿するのさえお金を払うこともあったらしいから、なんだかわけがわからない。玉石混交のすべての論文を掲載するわけにはいかないという点と考え合わせると、これからの電子出版でも似たような状況も想像できる。電子出版の配信事業がどういう仕組みで立ち上げられているのか、詳しい人に話を伺ってみたいものだなぁ~!
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