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2011年1月16日 (日)

みなしごのバラード

 このところ、頭の中で「みなしごのバラード」がリフレインする。全国の伊達直人さんがニュースに登場するせいだろう。「みなしごのバラード」というのは、アニメ「タイガーマスク」の哀愁に満ちたエンディングテーマ。子ども時代に見ていたアニメだが、オープニング以上になぜか心に焼き付いている。
 今思うと、私の子ども時代のアニメって、身よりのない子どもが登場する作品が多かった。ハッチもみなしご(つい先日「みつばちハッチ」と改題リメイクされたが)、ハイジはおじいと暮らし、アンはグリーンゲイブルズへ、ジョーは少年院から泪橋へ、ネロも両親を亡くして貧しいおじいさんの元へ、マルコは三千里も母を捜しまわり……。これらを観て、子ども心に社会の厳しさとか優しさとかに胸打たれ、目頭を熱くしていたものだ。
  「みなしご」という言葉は今や差別用語だし、「孤児院」という名も「児童養護施設」と改められ、戦争のないここ70年余りは孤児数は減っているらしい。けれど、両親と死別する子は減少しているものの、親はいるのに、養育不能やDVのために離れて暮らさなければならない子の割合は増えているとか…(現在約3万人の在所者のうち半分強という話も!)。もしかしたら、こちらのケースの方が悲劇なんじゃなかろうか。
 最近のアニメは、恵まれた家庭の子が主人公だったり、親はいて当然か、いなくてもやたら逞しかったり、いようがいまいが関係ないような異世界をひたすら冒険していたりと、昔のような現実的すぎて泣けるテイストの作品はあまり見受けられない(「メジャー」とか「ONE PEACE」とか「Naruto」とか、泣けるには泣けるけれど、ちょっと違う)
。身近にある悲劇に気づかずに過ごす子どもが増えていると言えるかもしれない。
 個人的に、「幼少時に触れる物語と感受性・人間性」について関心があるのだが、全国の伊達直人さんの慈愛の心のルーツは、いつごろどうやって育まれたものなのかなぁ~?
 これまでも、ユニセフや国境なき医師団などを通して寄付するような人はたくさんいたと思うけれど、今回の「タイガーマスク現象」は、“自分の手で”“身近な人へ”送り届けられているという点が興味深い。ニュースで見る国際的な悲劇の前に、身近な目の前の人の悲劇に自然と手を差し伸べられるようにいたいな、と思わされた。

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