切り餅の「切り込み」特許
水曜の夕方、息子と一緒に夕方のニュースを見ていたら、“知財高裁が「サトウの切り餅」の侵害を認めた”と報道されていた。ソースに当たるでもなく、その場で息子との会話を楽しんだだけだが、私としては、これが地裁では認められていなかったことが不思議に思えた。
息子に、「どっちに分があると思う?」と尋ねたら、「そりゃぁ“サトウの切り餅”じゃない? サトウの方が切り込みが多いもん」と笑える回答。へ~、そんな風に思う人もいるんだ!と新鮮な印象。それにしても、餅への切り込みなんて、むしろ“おばあちゃんの知恵袋”みたいなもんで、越後製菓が特許権を取得するより以前に、どっかの誰かがフツーにやっていたんじゃなかろうか?と思うのは私だけ?(こんな泥仕合に貴重な時間とお金をかけるより、もっと“レンジでふわふわモチ餅”とか“トースターにくっつかない餅”とか、考えていただいた方が嬉しいな)
いずれにせよ、2条1項の「“発明”とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。」という定義は、有名無実化しており、“高度”の基準がどこにあるのかまったくわからない。青本にはひとこと、「いろいろ問題が多い(後述)。」とだけ記されている(汗)。実案が実質的に使いにくい以上、アイディアならなんでもかんでもOKにならざるをえないのかもしれないが、「切り込み特許」と「LEDや i PS特許」が同等の20年の存続期間っていうのは、ヒジョーにアンバランスな印象を否めない。なにかにつけバランスを旨とする法律上、このあたりをもうちょっと改善できないもんだろうか。。。
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コメント
知財大好きっ子様、こんにちは。
乗鞍登頂、おめでとうございます!
お天気にも恵まれて、快適な山行だったのですね♪
山をついなめてしまうのは私も同様なのですが、
学生時代アルパインクラブだった夫に毎回諭されて
軽い山でも否応なく重装備で行かされます(^^;;。
来年の富士山まで、いくつか気持ち良い山行ができる
ことをお祈りします!
論文の発表が迫っていますが、
私は江口先生の論文講座を聴き始めました。
改正法説明会も参加したいのですが、
行けずにおります。
登山同様、一歩一歩進めていれば、
いつかは上に行くものと信じてやっていますが、
記憶喪失というガレ場が厄介ですね(苦笑)。
いつまでもヨチヨチ歩きの受験生ですが、
今後ともよろしくお願い申し上げます。
投稿: Taraco | 2011年9月10日 (土) 05時11分
実用新案レベルのものが意外と特許発明だったりするのは昔からよくあることで、審査官の匙加減一つでどうにでもなるのでしょうか。勉強を始めた当時から、ずっと不可解に思っていたことです。
さて、8月31日の乗鞍登頂も無事終わったのですが、登山初体験者としては、ハイキングの延長気分で登ると、これが結構な運動量で、登山がスポーツであることを思い知らされました。
昨今の登山ブームを反映してか、中高年の団体さんや3~5名くらいのグループ、私のような個人など、まあ登山道は人であふれていましたね。岐阜方面から来ていた中学生の集団(教師引率のようでした)もいました。
当日は曇っていたけれど、雷鳥が見られてラッキーな一面もありました。とにかく、標高2700mの畳平まではバスで行け、そこから頂上の剣が峰までは300m余り、約90分の道のりで、本格的な登山道は後半の50分位でした。
特に高山病らしき症状も出ることなく、いいペースで登れました。これなら、来年の富士山登頂も何とかなるかという感じですね。
それにしても、素人とはいえ、カーゴパンツとウォーキングシューズで何と歩きにくかったことか、山を嘗めたことに対して猛省し、来年はフル装備で富士登頂を目指したいものです。
P.S. いよいよ2週間後、論文の合格発表が迫ってきました。その前に久しぶりの特許庁主催の改正法の説明会(大阪 9月20日)もあり、行く末がどうなるやら何だか落ち着かないですね。
投稿: 知財大好きっ子 | 2011年9月 9日 (金) 18時05分