下北沢TOLLYWOODで今週いっぱい、新海誠監督の10年間を振り返る全作品上映会が催されている。以前の職場の同僚から教えてもらい、急きょ観に行くことに。平日の昼間っからいいご身分に思えるかもしれないが、編集者時代は毎日がそんなだった。会いたい人に会いに行き、見たいものを見に行って、それが仕事につながったりつながらなかったり。なつかしい~!
新海さんの作品の中で私の一番のお気に入りは「秒速5センチメートル」三部作。あれを観て以来、踏切を見たり、山崎まさよしさんの歌声を聴くだけで涙がこみあげるようになってしまった(だから、最近のUNIQLOのCMもすごく切ない)。果たして、最新作「星を追う子ども」は、あれほどのインパクトをもって迫ってくる作品になっているんだろうか…。劇場公開の時には、あまりに恐ろしくて観に行けなかったのだが、元同僚に背中を押される形で、こわごわとスクリーンに向かった私。。。
う~ん、う~ん、う~ん……
私は一体、誰の作品を観ているんだ……???
上映中、ずっとそんなことばかり考えていた私。確か、5年前の夏に、同じような消化不良感を味わった記憶が…(汗)。久々に仕事目線で観たせいもあるんだろうが、鑑賞後はヒジョーに複雑な心持ちだった。(確信犯的なオマージュオンパレードだったら、それはそれでスゴイ!)
宇宙との時差とか、桜の花びらが舞い落ちるスピードとか、決して出されることのないメールの数々とか、電車の天井を流れる光の波とか、これまでの新海作品のそんな私小説的な耽美さが好きだった人には、ちょっと馴染みのない世界観に、戸惑いが先行したに違いない。2時間近くの労作に対して何か言えた筋合いではないが、十年一昔、アニメに向かう新海さんの内面でどんな化学変化が起こっているのか想像もつかない、というのが正直なところ。。。この一区切りを越えた先の作品を楽しみにしています。
【後日譚】 その後、元同僚と感想交換などしてみたら、私が見ていなかったアニ・クリ15の「猫の集会」からの流れなどについて教えてもらい、なるほど、生半可に批評なんてするもんじゃないなと反省。いろんな人と意見交換できていないと、とかく独断的な考えに陥りがち。要注意要注意!
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