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2013年2月20日 (水)

書聖 王羲之

20130219 小雪のちらつく中、昨日は朝一から両親と上野の王羲之展へ。書の良し悪しがわかるほど書道に勤しんできたわけでもないが、小さい頃は毎年武道館に書き初めに行っていたくらいには親しんできたから、王羲之の摸本は是非観たいと思っていた。また、父は長年我流で墨・硯に慣れ親しんでいるし、母の若かりし日の趣味の一つは全国各地へ拓本を取りに行くことだったそうだから、これまたもってこいの展覧会。
 楷書、行書、草書、隷書、篆書など、さまざまな書体が会場を埋め尽くしていたが、なんといっても草書が素敵! 恥ずかしながらこのたび初めて、王羲之が草書の目標としたといわれる張芝(ちょうし)という書家を知った。王羲之も張芝も、並々ならぬ修練で道を究めようとしていたことがうかがわれた。
 数々の「蘭亭序」を見て、歴代の粋人がいかに王羲之を愛してきたかが実感されるとともに、王羲之の人柄にすっかり心奪われた。蘭亭の雅宴で王羲之が作った2つの詩の内容と、「蘭亭序」の現代語訳を読んで、字の美しさのみならず、彼の心根の堅苦しくないバランス感と温かみ&大局観がしみじみと感じられ、1600年以上の時を超えて共感した感じ。
 あちこちに“こぼれ話”が紹介されており、13歳くらいまではおとなしくて目立たない少年だったとか、飾らない性格だったとか、ガチョウや真珠が好きだったとか、15~6人の子や孫がいたとか、手紙にはちょくちょく“吾日弊”(私は日々疲れています)と書いていたとか、五石散という漢方薬を飲んでいたとか(“散歩”の語源だとも?!)、親しみの湧く構成が嬉しかった。
 人間、2000年くらいじゃ全然変わらない、というかむしろ無粋になっているような気すらして、王羲之のようなハートをもってこの先の人生を楽しみたいな、と思った。

 (水曜の晩の「歴史秘話ヒストリア」で空海の話をやっていたなぁ~。)

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