「言の葉の庭」
金曜朝、「1時間弱の息抜きくらい、たまにはいいよね~」、と、六本木ヒルズのTOHO シネマズへ…!
もちろん、新海誠さんの「言の葉の庭」を観に―――。
(以下、ネタバレにならないよう、抽象的感想のみ…)
個人的には、「秒速5センチメートル」や「雲のむこう、約束の場所」に続き、いかにも新海さんらしい、観る者の空想と投影の余地が広い佳品だったと思う。後味もいい。そして、映像美に関してはもう、文句のつけどころなし! これまで“光の作家さん”という印象だったのが、今作で“水の作家さん”の称号までモノにした感じ。印象的な“重さ”を感じさせるアニメシーンは数あれど、雨粒の重量感をこれほど感じたのは初めてかも。。。無機質なコンピュータが、使う人の感性によって、こんなにも威力を発揮するものなのかと、グウの音も出なかった。特殊効果だけでも十分感動できる作品だと思う(笑)。
以前から感じてはいたけれど、今回の「言の葉の庭」を見て、“新海フィルター”なるものが私に魔法をかけるのを痛感する。彼の作品を観終えてしばらくは、そのフィルターを通して世界を観るせいか、現実がどことなく美しく見えるのだ(苦笑)。と同時に、妙に感傷的にもさせられるのだけれど、それがまた自己陶酔のような心地よさ。(それにしても、あのオムライスはおいしそうだった!)
スポンサーにZ会が入っていたり、Special Thanks的に孫 泰蔵さんのお名前があったりと、「!」も満載でおもしろく拝見した。生きることに真摯で、とはいえやたら時間を浪費しがちで、大きな可能性をいっぱい秘めたZ会世代の人に、是非観てもらいたいな~と、母親目線でも見てしまいましたとさ。
(Other voices のWebページから、以下引用)----------------------------------
この世界には文字よりも前にまず───当たり前のことだけれど、話し言葉があった。文字を持たなかった時代の日本語は「大和言葉」とも呼ばれ、万葉の時代、日本人は大陸から持ち込んだ漢字を自分たちの言葉である大和言葉の発音に次々に当てはめていった。たとえば「春」は「波流」などと書いたし、「菫(すみれ)」は「須美礼」と書いたりした。現在の「春」や「菫」という文字に固定される前の、活き活きとした絵画性とも言えるような情景がその表記には宿っている。
そして、「恋」は「孤悲」と書いた。孤独に悲しい。七百年代の万葉人たち───遠い我々の祖先───が、恋という現象に何を見ていたかがよく分かる。ちなみに「恋愛」は近代になってから西洋から輸入された概念であるというのは有名な話だ。かつて日本には恋愛はなく、ただ恋があるだけだった。
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まるで、一枚の絵画を鑑賞した後のような余韻――素敵な作品を、どうもありがとうございました!
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