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2013年11月 2日 (土)

『青春を山に賭けて』

 過日、次の読書用に『海賊と呼ばれた男』のKindle版を購入しようとamazonを覗いたが、まだ電子化はされていなかった(もう最近の新刊本はすべて電子化されているかと思っていたら、とんだ勘違いだった!!)。で、仕方ないから『Steve Jobs』にしようかと思った瞬間、本書が目に留まった。勇猛果敢な気分になれる本を探していたので、これも何かのご縁と、ポチッと“1Click"(¥210-也、こんな安くていいのだろうか?!)。

 冒険家、植村直己さんの青春の記録は、まったくもって心躍らせてくれるものだった(10/31読了)。明大農学部入学後に初めて登山を始め、大学卒業後はまさに世界放浪の旅。名だたる山々を単独登攀したこともスゴイことだけれど、目を瞠らされるのは、そこに行きつくまでの過程。1つの目標を定めると、一心不乱にその実現のための準備だけに専念する。そして目標を達成したとたん、またすぐに次の目標を定める。外国語なんてほとんどできないまま海外に渡り、見よう見まねでなんとかしてしまうタフネス。出会う人出会う人との交流を愉しみ、謙虚さと感謝の気持ちを忘れない。不可能を熱意で可能に変えてしまうとともに、強運に恵まれる人柄。
 常識的に考えると、モラトリアムの無謀な遊興の連続にも見えなくはないけれど、命を懸けて人生を限界まで楽しみきるには、やっぱり並々ならぬこだわりと根性が必要だ。冬のグランド・ジョラス北壁の登攀模様を読んでいたら、「人生、これより辛いことなんて滅多にないだろうな…」と思えた。せせこましい日本国内で、少しくらい冒険した気になっても、そこで遭遇する困難なんてたかが知れてる…と、勇気凛凛(笑)。
 43歳、世界初マッキンリー冬期単独登頂を果たした後に消息をたつという最期だけれど、これだけ好きなように生きた人も珍しいだろう…。生き方は自分で選択し、自分で切り拓き、存分に愉しまなくちゃ!と思わせてくれる本だった。

 さてさてお次はいよいよ『Steve Jobs』、行きまーす!(2冊で\2,100-也、ちょっと高いな。紙でペイさせてから電子化するのと、最初から紙と電子版と並行して採算を考えるのでは、値付けもだいぶ変わってくるな…)

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